No side
ここの文化祭では、学校と地域からご褒美が与えられる。
1位となったクラスには無料でアイスが配られ、打ち上げ用の飲食店割引クーポンなどが貰えるのだ。
実はバイトが出来ないこの賽の目高校。
お金の少ない生徒にとって、嬉しすぎるご褒美である。
アイスの袋を片手に彼らは笑う。
2日間に及んだ文化祭はもう終わりに近づいて、
残すは後夜祭のみとなった。
花火の観客席がある運動場へ向かう生徒が増えて、1人、2人と教室から姿を消していく。
…それに紛れて一人、ある少女が教室を去っていった。
あなたside
一昨年は1年教室で。
昨年は生徒会室で。
さて、最後の花火はどこで見ようか。
秋らしさを感じる、夕方の薄暗い廊下を一人で歩く。
毎年のように、
当てずっぽうに、ゆくあてもなく、ふらふらと。
とりあえず、運動場の様子を覗いてみようか。
友達や知り合いの会話、話したこともない生徒の笑顔。
見ているだけで、心が暖かくなるから。
…もし、"彼"がいたら、声を掛けてもいいな。
きっと、仲がいいのによく喧嘩をする彼も一緒にいるのだろうけど。
小さく笑いながら生徒玄関へ行き、自身の下駄箱の鍵を開ける。
するとそこには、見覚えのない手紙が2枚。
ロッカー式で鍵付きの下駄箱だから、隙間からポストのように入れたのだろうか?
変に冷静な頭でそれぞれの手紙を開く。
あなたの名字あなたさんへ
後夜祭が始まる5時半に、中庭へ来てください。
あなたに伝えたいことがあります。
P.S. もし、もう1人の方に行きたかったら、
この手紙のことは忘れてな。
あなたの名字へ
今日の5時半に、屋上に来て欲しい。
もしあいつがいいならこの手紙のことは忘れていい。
待ってる。
…それは、どちらも、告白の呼び出しのような内容で。
すぐ、あの2人からだと気がついた。
それならば、こっちへ行こう。
私の、彼への想いには、もう気がついてる。
…数時間前、ぽろりと零れ落ちてしまったあの言葉。
"…たしは、…なたに、…"
きっと、あれが、私の本心だから。
もう1人の手紙に小さく謝って、
私は、彼の元へ向かった。
アンケート
どちらへ行く?
2人であの子を探した中庭(hint:28話)
65%
2人で雪かきをした屋上(hint:13話)
35%
投票数: 54票
前話の彼女の呟きの内容も、次回明らかに…!
投票高かった方を先に更新します!
(どっちのENDも書きたいので書きます…!)
更新は2週間後になりますのでご了承ください (❁ᴗ͈ˬᴗ͈)"












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!