パチパチパチパチパ パ パ パ……
「うおーっ体育館!!」
「昨日も来ただろうが」
先程まで暗かった体育館が電気をつけたことで明るくなる。ネットも置いてあり、スパイク練習も出来るだろう……ところで隣の翔陽さん、興奮しすぎです。
「ヘクシッ……寒っ」
室内に入ったところで、体育館は寒かった。東北の寒さは九州の比じゃない。どうせ何もする事ないし端っこで丸まっとこ……
1時間後……
「前っ」
「ボェーーーッ」
「ビクッ」
気付いたら翔陽が漫画みたいに顔からずっこけてた。
ズベーッってオノマトペがつきそうなくらい顔を床に擦り付けていたが、無念……取ろうとしたボールには一歩届かず、ぽんっと軽快な音を立てて転がっていった。
「オイ!足止まってんぞ!
昨日のサーブレシーブの反応どこ行った!?
もっと集中しろ!! 」
「うぅ……ずっとパスだけ……」
「時間なくなっちゃうじゃんか!
スパイクも打ちたいジャンプもしたい!!」
「そこらで跳ねてろ!!」
「ふっ、2人とも喧嘩は……」
流石に取っ組み合いの喧嘩に入りそうだったのでたまに入ると、鶴の一声ならぬ、田中先輩の一声が入った。
「おいオマエら!」
「「?」」
「……ひとつ言っておく。
大地さんは普段優しいけど怒るとすごく恐い」
「すごくだ。」
「「? 知ってます」」
先ほど喧嘩していたとは思えないほどのシンクロ率で田中先輩に返答する2人。
まぁ、確かに澤村先輩は怖かった。普段は優しい人なんだろうけどあの2人は見事に出会って初日であの人を怒らせてしまった。あの日『仏の顔も三度まで』という諺の意味を身をもって体験した。
「この早朝練がバレたらヤバい」
「俺がヤバい」
「…別にビビってるとかじゃねぇぞ全然全く全然」
「「「……」」」
そう言って冷や汗をかいている田中先輩、いや誤魔化さなくても大丈夫です。
冷や汗をかいてあの2人にこんな忠告をしている時点でもうビビってるの分かってるので。
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4/23 修正済み












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。