第60話

第45話
334
2026/02/26 09:03 更新



放課後。

実行委員の打ち合わせ後。

廊下で資料をまとめていると――


mob.
ねえまだ一緒にやってるんだ



またあの人たちのら声。

あなたは小さく息を吸う。


あなた
…実行委員だし
mob.
ふーん



にやり、と笑う。


mob.
奏と並んでる方が絵になるのにね
mob.
昨日話してたじゃん、楽しそうに



胸が、ちくっと痛む。


mob.
ライくんってさ、元カノのこと嫌いになったわけじゃないでしょ?
mob.
未練とか絶対あるって



言葉が、鋭い。

何も言い返せない。

その時。


Kanade
――やめなよ



空気が変わった。

振り向く。

奏が立っている。

いつもの柔らかい笑顔じゃない。

まっすぐで、冷たい目。


Kanade
なにしてるの?



女子たちが慌てる。


mob.
え、別に〜
mob.
ただ話してただけ〜
Kanade
話してただけで、あんな言い方する?



声は静か。

でも、圧がある。


Kanade
奏の方が似合うとか
Kanade
未練ある、とか



あなたの心臓が跳ねる。

――聞いてた。

奏は、はっきり言った。


Kanade
それ、私がいちばん嫌いなやつなんだけど
Kanade
私はもうライと付き合ってない
Kanade
終わりは私が決めた
Kanade
今はあなたが彼女でしょう?
Kanade
なら、外野がとやかく言う資格はない



静まり返る廊下。


mob.
奏…
mob.
ごめん、奏のために言って…
Kanade
私のため?



奏は少し笑った。

でもその目は真剣。


Kanade
私、そんな未練女みたいに見られるの
嫌なんだけど



女子たちは完全に黙る。


Kanade
もうやめて



低い声。

取り巻きたちは気まずそうに去っていった。

静かになる廊下。

あなたは動けない。

奏が振り向く。


Kanade
ごめんね
あなた
…え?
Kanade
私の名前出されるの、嫌だよね
あなた
そんなこと…



奏は少し肩をすくめた


Kanade
私さ、あなたとちゃんと
話してみたいと思ってた



あなたは目を見開く。


あなた
え?
Kanade
ライが選んだ子でしょ?



少しだけ笑う。


Kanade
どんな子なんだろって普通に気になってた



敵意はない。

比べる視線もない。

まっすぐな興味。


あなた
…私、全然すごくないよ



思わず本音がこぼれる。


あなた
奏さんの方が
Kanade
奏でいいよ



優しく訂正される。


Kanade
あなたはあなたでいいの



はっきり言う。


Kanade
私と比べる必要ない



胸の奥が、じわっと熱くなる。


Kanade
友達にならない?



突然の言葉。


あなた
え?
Kanade
実行委員だし



少し照れくさそうに笑う。


Kanade
あと、あの子たちの
暴走止めるの面倒だからさ



冗談めかして言うけど、

その目は本気。


あなたは、少しだけ迷って。


小さく頷いた。


あなた
…なりたい



奏がふっと笑う。


Kanade
よかった



その瞬間。

廊下の向こうからライが来る。


inm
なにしてんの?



あなたを見る。

奏を見る。

一瞬の沈黙。

奏は軽く手を振った。


Kanade
彼女、泣かせたら許さないからね



ライが眉をひそめる。


inm
泣かせてねえし



あなたを見る。

少し心配そうな目。

その視線が、今はちゃんと安心になる。

奏はくるっと背を向けた。


Kanade
じゃ、またね!



去っていく背中は、

“元カノ”じゃなくて。

ただの、強くてかっこいい女の子だった。

















kana
kana
更新遅くなったので
今日は少し長めです!

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