8月31日、日曜日。
今日は花火大会で、何人もの人が集まっていた。
人々の服装を見るたびに、
人々の笑顔を見るたびに、
俺の胸はどんどん高鳴っていく。
一体、あなたちゃんはどんな服で来るんだろう。
一体、どれほどの思い出になるんだろう。
胸いっぱいに広がった期待は衰えることなく、
勢いを増して、俺の鼓動を加速させた。
突然 後ろから聞こえてきた、
透き通るような淡い声。
周囲の音の中よりも鮮明に、
俺の耳に焼きついた声。
その声の主は ── 。
いつものワンピースとは一味違って、
なんだか暗い色の浴衣を見に纏っていた。
小さくて青い花びらが咲き誇る紺色の着物と
対照的に、無地で落ち着きのある黄土色の帯。
いつものストレートヘアとは違い、
高めの団子結びでまとめられた髪の毛。
あまりにも新鮮な姿に、雰囲気に、
胸はさらにドキドキして、体は強張った。
『 君の方が綺麗だよ 』
なんて、小心者の俺には言えるわけもなく、
目を細めて微笑む、
君の笑顔に呑まれるばかりだった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。