第6話

なみだ
49
2021/02/18 13:58
ユンギ
ユンギ
うわっ
はっと我に返った。

気づけば目の前の扉は開いていて、男の人が立っていた。

ユキ
ユキ
あ、…え?
そこでやっと私は自分が泣いていることに気づいた。
ユキ
ユキ
わ、え、…っす、すみません…
盗み聞きをしてしまった罪悪感と、泣いてることの羞恥心で
プチパニックになった私は咄嗟に逃げようとした。

けれど、腕を掴まれてそれは叶わなかった。

まさか引き止められるとは思わなくて、
驚いて彼を仰ぎ見る。

そしたら彼の方も驚いた表情をしていて、
でもすぐにバツが悪そうに顔を俯けてしまった。

掴まれた腕はそのままで振り切ることもできない。

何か言わないとと思うけど、
喉が震えてまともに喋れそうになかった。

その時、廊下の奥から話し声が聞こえてきた。

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