運搬作業はその日の夜に終わり、街の宿で一泊してから近くにある店の並ぶ通りへ向かった
マルコには
「夕方に出港するから4時には船の前に来てくれ」
と言われているから時間に余裕はある
そこで、航海中の娯楽になりそうな物でも買いに行こうとあなたの下の名前(カタカナ)が言い出したのだ
そして、まず入ったのは本屋だった
いつでも強くなろうとして……すげぇな
でももうちょっと頼ってほしい
昨日もスキルの「捕食」を使ったせいか昼飯どころか夜も食わなかった
本当はスキルを使えば腹も膨れるけど、無理して詰め込んでたんじゃないか?
あなたの下の名前(カタカナ)は視線を魔導書に落とし、それを持つ手に少し力が入ったように見えた
しかし、顔を上げると明るい声で答える
そんなアホみたいな会話をしながらカゴには少しずつ本が増えていく
様々な地域の植物や動物について書かれた図鑑のような実用的な本だけでなく小説も購入する
俺たちの分もしれっとカゴに追加し、ガッチさんに払ってもらった
あとは他の店に行ってボードゲームを買ったり画材を買ったりしていたら約束の時間が近づいてきた
港に戻るとマルコが船の前で出迎えてくれた
言われた通りついて行くと、船室に通された
廊下のつきあたりにある3部屋で、この船の部屋は基本的に2人部屋らしい
マルコはそう言ったきり分厚い手を振って去って行った
マルコ……いや、この船のドワーフが人間に友好的な人たちでよかった
そうじゃなければ冒険の序盤で詰まってたはずだ
とにかく、今は……
ちぇ、バレた
俺はしぶしぶあなたの下の名前(カタカナ)の手を離す
あなたの下の名前(カタカナ)は俺たちの顔を見て少し悩むが、少し考えてこう言った
一悶着ありつつ、みんなで輪になって構える












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。