ユリ×__
目の前でテレビに目を向ける彼女の背中を見つめて、幸せを噛みしめる夜。
なんとなく、彼女が好きだというネットドラマに意識を移すと、カップルの出会いから今までを振り返っているみたいだ。
個人的にありきたりな恋愛ドラマは好きじゃないんだけど、ユリ的にはありきたりな方が感情移入しやすいらしい。
一昨日うざいくらいに熱弁してきたユリの顔を思い出して口角があがってきた。
ドラマを見るユリを見る私、夕食も入浴も済ませてゆったりした時間。無駄にくっつきすぎることもなく居心地がいい。
1日1話がルールらしいユリがこっちを向いて微笑んだ。
この時間、ユリがこの顔をしたら聞こえてくる言葉は1つ。
「寝よっか」
いつものようにベットに潜ると、小さい手で優しく頭を撫でてくれるこの時間が好きだ。
「明日起こす?」
帰ってくる言葉は分かってるけどなんとなくユリの声を聞きたくて毎日の恒例になってる。
「大丈夫、ありがとう」
頭を撫でていた手が頬に落ちてきて顔が近づいてくる。優しく唇を合わせると私が大好きな声で囁いた。
「おやすみ」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。