すれ違ったおばあさんの声。
何事かと思って振り返れば、私たちをじっと見つめてた。
流星くんがおばあさんに声をかけた。
泣きそうな顔で私たちを見てる。
でも、私は会ったことない。
流星くんの知り合い…?
涙を拭いながら。
嬉しそうに、切なそうに…
おばあさんは持っていた清掃用のお水の入った桶を、お墓の前に置いた。
私たちがお供えしたお花を指さした。
私たちは顔を見合わせた。
ということは、この方は…
何秒かの沈黙。
どう説明したらいいのか、頭が真っ白。
流星くんが私の手をぎゅっと強く握った。
そして、私を見て微笑んだ。
流星くんに引かれて、お墓に戻る。
そして、手を合わせてるおばあさんの後ろでもう一度拝んだ。
おばあさんは立ち上がって、振り返った。
優しく微笑むおばあさん。
なんか、安心する。
おばあさんの目から涙がこぼれた。
おばあさんは鞄から写真立てを2つ出した。
そして、お墓の前においた。
右側に素敵な老夫婦。
左側は…
前世の私たちの結婚式の写真。
今の私たちの生き写しのような写真。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!