彼らはそのまま黙ってしまいました
私は部屋に戻りました
私自身も何が起きたかよくわかっておらず、よく分からないまま事が進みました
私は『子供を育てたい』って不意に思ってしまった
絶対に持ってはならない感情
だって私は『イラナイ子』だから
イラナイ子は感情を持ってはならない
言われるがまま絶対に口答えをしてはならない
されるがまま絶対に拒否をしてはならない
イラナイ子は人権なんて存在しない
だって『イラナイ子』だもの──────
初めて言われた
私をイラナクナイ子と言ってくれた人
私は安堵していた
今度はもう捨てられない
と云う安堵
気ずけば私の目は自然と涙が出ていた
私は生まれて初めて泣いた
私を母が産んだ時は酷く衰弱しており
医者からも長くは生きれないと未だ私を身ごもっている時に告げられた
その後母は私の顔を見れずに亡くなってしまった
私には何故かお腹の中の出来事を記憶している
母はとても優しかった
私を大事に大事に育ててきた
父もとても優しかったでも
私を産んだ後父から『生きてるだけで罪』『お前はイラナイ子』と云われ
母を溺愛していた父は私が母を殺したと言って毎日暴言と暴力の日々の中売られてしまった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。