No side
佐野雄大は、あることを企んでいた。
エイプリルフールの日に、柾哉に『別れようドッキリ』を仕掛けると。
自分は送るのを忘れるだろうとタイマーを設定して、4月1日にメッセージが送られるようにしていた。
これをきっかけにして、忙しくしている柾哉といちゃいちゃしようという魂胆なのであった。
柾「は?」
西「なにどうした」
柾「…雄大が別れよって」
西「はぁぁ??」
柾「……」
西「ちょお前大丈夫かよ、ふらふらしてんじゃん、」
柾「早退…する」
西「は、おい!」
柾哉side
どういうこと別れよってなに!!!
最近忙しかったし、2人の時間とかもなかったけどさ!!
なんでそうなったの、、、
他に好きな人できたとか、?
やっぱ男だからとか…んもう!!!!!
既読にならないし返信返ってこないし電話にも出ないしなんなの…!
泣きそうになりながらタクシーを捕まえて家に帰る。
「あの、急いでください!」
雄大がもし家を出て行っていたりしたらどうしようと、気持ちが焦る。
「ただいま!!!」
佐「柾哉くん!?」
「は、よかった…まだいた」
佐「どうしたん、まだお昼やで」
「え、だって雄大が…」
佐「大丈夫?とりあえず部屋入ろうや」
しゃがみこんでしまった俺の手を掴んで部屋に入る。
まるでさっきのLINEがなかったかのよう。
これから話すの?
リビングに入って、ソファに座ったら、別れ話して、それで、終わるの、?
雄大に連れられるままソファに座った。
これから振られるんだ
別れよってまた言われて、それで、、
次に雄大になんて言われるのか、次の言葉を考えると、どんどん呼吸が浅くなっていく。
「え、柾哉くんどうしたん!?」
「、ゆぅだい…っ」
「ちょ落ち着いて!!大丈夫、?」
落ち着けるわけない、大丈夫なわけない。
「俺なんかした?」
「なんもないで!急にどうしたん?」
「だってさっきLINEで!」
「え、うわそうやん!!!!」
急に大きな声を出す雄大。
「え、なになに??」
「まってうわ〜忘れとった……」
ボソボソ何かを言いながら頭を抱えている。
「なに???なにってば!
忙しくて一緒にいれなくてごめん!
年上だから?もっと頼れる人がよかった?
ねえなんで黙ってるの…」
雄大が気まずそうな顔をしていて、ますます不安になる。
「ちゃうねん!!ほんまにごめん!!!」
「え?」
「もう〜俺ほんまあほや…」
「忘れてたぁ!?」
「うん、ほんまはエイプリルフールのドッキリってことで送ったんやけど、、」
「もう最悪なんだけどー」
「ほんまにごめん〜!!」
「まあいいけどさ、別れないなら!」
「ちょっ柾哉くん泣きすぎやで」
「だって別れよってびっくりしたのぉぉぉ」
「ごめんってー!!!」
「もう!今日は絶対一緒に寝るから」
「いつも一緒やんか」
「うるさい!お風呂も!」
「いつもと変わらんけどな笑」
「もう!んむっ」
「ちゅー久しぶりやな」
「もっかい」
「もう1回で終わるわけないやん」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!