ビリビリと肌で感じる魔力
あまりに大き過ぎるそれに触れた魔人は
喚く事も怖気付くこともなく
目を輝かせた
声が出ない
言葉を発せない
元からなのか...彼の圧力なのか……
その魔族の気まぐれか
怪しげな笑みを浮かべたまま、
彼女を自身の乗っている黒龍に乗せた
寂しさから……孤独から開放される
その喜びで彼女は例の魔族……キザルムにくっつく
一瞬でも孤独でない時間を過ごせた
彼女には十分すぎる幸福
失うものは元からない
少しでも誰かに触れられた
ほんの一瞬でも誰かと過ごせれば充分だったのだ
ギザルムは彼女を殺さなかった
ほんの気まぐれだった
それでも彼女は嬉しかった
殺されても構わない
でもそばに居られるならもっといたい
矛盾を抱えているがつまりそれは
『どちらを選択されても彼女にとっては幸福』なのだ











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。