ビリビリと肌で感じる魔力
あまりに大き過ぎるそれに触れた魔人は
喚く事も怖気付くこともなく
目を輝かせた
声が出ない
言葉を発せない
元からなのか...彼の圧力なのか……
その魔族の気まぐれか
怪しげな笑みを浮かべたまま、
彼女を自身の乗っている黒龍に乗せた
寂しさから……孤独から開放される
その喜びで彼女は例の魔族……キザルムにくっつく
一瞬でも孤独でない時間を過ごせた
彼女には十分すぎる幸福
失うものは元からない
少しでも誰かに触れられた
ほんの一瞬でも誰かと過ごせれば充分だったのだ
ギザルムは彼女を殺さなかった
ほんの気まぐれだった
それでも彼女は嬉しかった
殺されても構わない
でもそばに居られるならもっといたい
矛盾を抱えているがつまりそれは
『どちらを選択されても彼女にとっては幸福』なのだ











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!