あるところに、小さな夢がありました。
だれが見たのかわからない、それは本当に小さな夢でした。
小さな夢は思いました。
小さな夢は考えて考えて、そしてついに思いつきました!
人間を自分の中に迷い込ませて
世界を作らせればいいと
一番目アリスは勇ましく
ナイフ片手に不思議の国
いろんなものを斬り捨てて
真っ赤な道を敷いていった
ビシャッ
そんなアリスは、回廊の奥
罪人のように
閉じ込められて
回廊に出来た道以外に
彼の生を知る術はなし
二番目アリスはおとなしく
歌を歌って、不思議の国
いろんな音を溢れさせて
狂った世界を生み出した
そんなアリスは、薔薇の花
イカレタ男に
撃ち殺されて
(綿に花弁が落ちる)
真っ赤な花を一輪咲かせ
みんなに愛でられ枯れていく
三番目アリスは幼い子
綺麗な姿で、不思議の国
いろんな人を惑わせて
おかしな国を造りあげた
そんなアリスは、国の守護者
歪な “夢” に
とり憑かれて
朽ちゆく兄らに怯えながら
国の感情を守護してく
赤の小道を辿ったり
薔薇の木の下で人形劇
お城からの招待状は…
ハートのトランプ
四番目アリスは双子の子
好奇心から、不思議の国
いろんな扉を潜り抜けて
ついさっきやって来たばかり
気の強い兄と
賢い弟
一番アリスに近かったけど…
ザシュッッ🩸
二人の夢は、覚めないまま。
不思議の国を
彷徨った。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!