第6話

5 話
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2021/04/18 16:06
野薔薇の携帯から流れたアラームによって目を覚ます。
あなた
…ん、
窓から差し込む光に目を細める。
あなた
…さとる、
釘崎野薔薇
釘崎野薔薇
…朝から嫌いな名前聞きたくないわ…、
あなた
あ、ごめん…野薔薇、おはよう
釘崎野薔薇
釘崎野薔薇
おはよう
ベットから下りてカーテンを開ける。
机の下に放り投げられている携帯を手に取り、開く。
あなた
…ぅわ…、
ロック画面にあった通知にビックリする。
全部悟からのものばかり。

100件は超えるLINEに、10件くらいの不在着信。

来たのは夜中2時とか3時。
釘崎野薔薇
釘崎野薔薇
うわ、きも…
あなた
あはは…
でも、私はこういう事は何度も経験済み。

悟が家に帰って私がまだ帰ってない時とか。

喧嘩の時とか。
最後のメッセージには、
五条悟
五条悟
「ほんとに、ごめんね。僕がわるかった、
僕、あなたが居ないとだめ。
ほんとに反省してる、から…許してくれるなら、朝…家に帰ってきて、まってる…」
悟の口からじゃ、出てくると思わないような弱い言葉ばかり。
罪悪感が溢れ出す。
あなた
…ごめん、野薔薇…行ってくる、
釘崎野薔薇
釘崎野薔薇
うん、いってらっしゃい
苦笑いのような、優しいような、そんな笑顔で見送られる。
家まで走っている途中、涙が溢れ出す。
あなた
っさとる、…さとる…、
ガチャッ
家のドアを開けると、玄関に座り、俯いた悟が居た。
あなた
…さとる、悟…、
玄関に座り込み、悟の顔を覗き込む。
五条悟
五条悟
…あなた、…?
目は涙を溜めて、赤い。

綺麗な顔は青白く、歪んでいる。
あなた
さとる、
五条悟
五条悟
…あなた…あなた、
小さくなった悟を抱きしめ、頭を撫でる。
五条悟
五条悟
ごめん、あなた…ほんとに、ごめん、
あなた
うん、いいよ…さとる、
弱々しく呟かれた言葉。
五条悟
五条悟
僕のこと、嫌い…?
あなた
嫌いじゃない、大好きだよ…。
私こそ大っ嫌いとか言って、ごめんね…
五条悟
五条悟
…よかった、僕も…だいすき…
何十分もごめんねと大好きを繰り返す。
あなた
悟…私は、絶対に嫌いになんてならないから…
五条悟
五条悟
僕も、
2人で涙でいっぱいの目を細めて笑う。
今日は2人して休み、ずっと一緒にいた。
END

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