第3話

⟡.·2 はじめての温度
29
2026/05/03 22:34 更新
らっだぁ
らっだぁ
え、なにそれw意味わからんって
笑い声がイヤホン越しに響く。
(なまえ)
あなた
いや、そっちが変なんだって!普通そうなるでしょ?
らっだぁ
らっだぁ
ならねーよwあなたの下の名前だけだよそれ
(なまえ)
あなた
ひどっ!
ベッドに寝転びながらスマホを耳に押し当てる。
画面は暗いままなのに超えだけで十分だった
こんなに誰かと話すのが楽しいなんて思わなかった
らっだぁ
らっだぁ
つーかさ、あなたの下の名前今日テンション高くね?
(なまえ)
あなた
そう?
らっだぁ
らっだぁ
うん。なんかいいことあった?
一瞬だけ言葉に詰まる
(なまえ)
あなた
……あったかも
らっだぁ
らっだぁ
なにそれw気になるんだけど
(なまえ)
あなた
内緒〜
らっだぁ
らっだぁ
えー、教えろよ〜!!
軽い声。いつも通りのトーン
なのに、その何気ない会話一つ一つが胸の奥に残っていく
(なまえ)
あなた
……ねぇ
らっだぁ
らっだぁ
ん?
(なまえ)
あなた
こうやって話すの楽しい?
少しだけ小さな声で聞いた
らっだぁ
らっだぁ
楽しいよ?
即答だった
らっだぁ
らっだぁ
じゃなきゃこんな時間まで通話してねーってw
(なまえ)
あなた
……そっか
それだけで十分だった
らっだぁ
らっだぁ
てかさもう寝なくて大丈夫なん?
(なまえ)
あなた
明日休みだし平気
らっだぁ
らっだぁ
いいな〜俺普通にあるわ
(なまえ)
あなた
じゃあ寝なよ
らっだぁ
らっだぁ
いやもうちょいだけ話す
(なまえ)
あなた
なにそれw
らっだぁ
らっだぁ
なんとなく
なんとなく。その言葉がやけに嬉しかった
 
沈黙が少しだけ流れる
でも気まずくはなかった
呼吸音とかちょっとした物音とか
そういうの全部が「繋がってる」って感じがして
(なまえ)
あなた
……ねぇ
らっだぁ
らっだぁ
んー?
(なまえ)
あなた
もしさ
少しだけ迷ってから言葉を選ぶ
(なまえ)
あなた
急に居なくなったらどうする?
らっだぁ
らっだぁ
は?
すぐに返ってきた声は少しだけ笑ってた
らっだぁ
らっだぁ
なにそれw急すぎだろ
(なまえ)
あなた
いや、もしもだよ?
らっだぁ
らっだぁ
んー……
少し考える気配
らっだぁ
らっだぁ
探すんじゃね?
(なまえ)
あなた
……そっか
らっだぁ
らっだぁ
普通に連絡するし、来なかったら家行くし
(なまえ)
あなた
…そこまでする?
らっだぁ
らっだぁ
するでしょwだって心配じゃん
軽い口調のまま
でもその言葉はちゃんと重くて
(なまえ)
あなた
そっか
もう一度同じ言葉を繰り返した
らっだぁ
らっだぁ
てかあなたの下の名前こそどうなん?
(なまえ)
あなた
え?
らっだぁ
らっだぁ
俺が急に消えたら
少しだけ息が止まる
(なまえ)
あなた
……どうすると思う?
らっだぁ
らっだぁ
いや知らんけどw
少し笑いながら、でもちゃんと答える
(なまえ)
あなた
探すよ
らっだぁ
らっだぁ
おー、マジか
(なまえ)
あなた
うん
らっだぁ
らっだぁ
どこまで?
その質問に少しだけ間を置く
(なまえ)
あなた
……見つかるまで
らっだぁ
らっだぁ
重っw
笑われる
でもそれでよかった
らっだぁ
らっだぁ
まぁでもさ
あなたは軽く続ける
らっだぁ
らっだぁ
そんな簡単に消えねーって
(なまえ)
あなた
……うん
らっだぁ
らっだぁ
安心しろって
その一言で胸が少しだけ温かくなる
(なまえ)
あなた
ありがとう
らっだぁ
らっだぁ
おう
それからも色々話し気づけば時間はかなり遅くなっていた
らっだぁ
らっだぁ
そろそろ寝るか〜
(なまえ)
あなた
だね
らっだぁ
らっだぁ
じゃ、おやすみ
(なまえ)
あなた
おやすみ
通話が切れる直前
らっだぁ
らっだぁ
また明日な
その一言が聞こえた
画面が静かに暗くなる
部屋の中は急に静かになって。
でもさっきまでの声がまだ残ってる気がした
(なまえ)
あなた
……また明日、か
小さく呟く
当たり前みたいな約束
でもそれがすごく大事で。
スマホを胸に握りしめる
さっきの会話を頭の中でなぞる
言葉も、声も、間も、全部。
(なまえ)
あなた
……忘れたくないな
ぽつりとこぼれた言葉は誰にも届かない
だから私はメモを開いた
日付と時間を書いて、ゆっくりと言葉を残していく
『楽しいって言ってくれた』『また明日って言った』
それだけなのに、それだけだからこそ
ちゃんと残しておきたかった
(なまえ)
あなた
……大丈夫
小さく呟く
(なまえ)
あなた
ちゃんと覚えてるから
まだこの時は
それが“おかしいこと“だなんて思ってなかった

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