ジェルは凄く驚いたが同時に凄く嬉しくて気づけば???に抱きついていた。
ジェルは泣いていた。もう二度と会えないとずっと思っていたから尚更嬉しいんだろう。
???は持病のため入院する事になった。市外の大きい病院に。???の持病は治らない…長生き出来ない…などと散々言われてきた。
そうして入院してから数ヶ月後……。???の持病だんだん良くになっていった。医者は奇跡だ!と言っていた。
薬を手渡され???はそれを受け取った。
病室に戻りベッドに横になった。相変わらず退屈な日々を送らなければならないのか。そんなある日???の病室に誰か来たのだ。???にお見舞いに来る人は居ないはずだ。親は仕事、友達はジェル以外に居ないのだから。
恐る恐る声を掛けた。
誰か来た事だけでも驚いているのにまさか友達のお兄さんが来るなんて、と???は驚きを隠せないでいた。
それが1番初めに???が聞きたかったことだ。それと、どうやってここの病院に居ることを知ったのかも気になるが今はどうでもいい。
近くにあった椅子に腰を落とし、???の目を見て優しく微笑むように話し始めた。
落ち着きのある暖かい声だった。自然と聴き入ってしまうほどだ。
理解が追い付かない。何をお願いされるのかと???は少し身構えた。
奇病を患っているのは先生から聞いていた。それを治すのを手伝ってほしい?なんで俺なんだろうという気持ちだった。
一度悲しい顔をして、すぐに笑みになった。???はジェルたちの間で何かあったのだろうとなんとなく察した。
気まずそうな顔をして、下を向いた。
ぱっと明るくそう言いにこっと笑って見せた。
腕に付いている点滴にふと視線をやりながら、申し訳なさそうにそう言った。
???に向かって頭を下げた。
ななもりは静かに病室を出た。リツキは少し嬉しかった。お見舞いなんて誰にも来て貰えなかったから…。両親は仕事で多忙,友達もろくに作った事がなかった。リツキはずっと1人だった。そんな時に出会ったのがジェルだった。リツキの唯一の友達だ。
毎回同じ時間にどこかへ行くななもりを不審に思っていたようだ。
またニコニコしながら声は申し訳なさそうにそういうと、リツキはぽかんとしながらすくっと笑った。
ななもりはキッチンで料理をしながら思った。自分達と話している時より楽しそう…それもそうだろう。今までジェルにしてきた事は謝っても許されない。今思えば奇病にかかったのも自分のせいなのでは?とななもりは思い始めていた。
休みの日だからか皆起きてくるのが遅かった。ジェル達が話をしているとさとみが起きてきた。さとみは驚きを隠せないでいた。それもそうだ。知らない人が自分の家に居るのだから無理もない。
ななもりはさとみにこっちと手を振った。キッチンでななもりは料理をしながらさとみに状況の説明をした。
しばらくして他の3人が降りてきた。ななもりは説明をしてリツキに自己紹介を頼んだ。
ぺこっと軽く頭を下げそう言った。緊張している様子は無いがかなり気を遣っているようだ。
リツキの言う事は正しかった。兄弟なのに誰かの方が方がと比べてはジェルから距離をとっていた。
自分達と居るより…そんな事を考えてもジェルの奇病は治らない。
リツキは優しく笑った。





















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。