一日が終わり、猫猫は与えられた寮で一息ついていた。
寮は狭いが、綺麗な一人部屋だ。
猫猫が悩んでいると、部屋の扉がコンコンと叩かれた。
廊下を覗くと、まだ生徒たちが彷徨いているのが見える。
まだ外出は制限されてない時間のようだ。
すると子翠の後ろから、一人の少女が顔を覗かせた。
猫猫より背は小さく、短い前髪が特徴的だ。
元気な性格のようで、子翠と気が合いそうだ。
扉の前で顔を輝かせている二人を見て、簡単に帰ってはくれなさそうだと考える。
まあ、友人ができるのは猫猫にとっても嬉しい。
いたずらっ子のように笑う子翠と小蘭。
猫猫も何か買いに行く手間が省かれるのはありがたい。
ポテトや唐揚げが入った惣菜とサラダ、ピザを食べながら
子翠が問いかけてきた。
小蘭はその話に興味はないらしく、ポテトの中にカリカリのものがないかを探している。
子翠は「一応、説明しとくね」と話し始めた。
荔国会社は世界でもトップを争う大きな会社だ。
食品からファッション、インフラ、また軍事のことまで
幅広く取り扱っている。
その会社の社長が創立したのが「荔華学園」である。
子会社の子どもだけでなく、国中から優秀な子どもが集まっている全寮制の学園。
小蘭はどうやら、食べることが好きなようだ。
けれどその姿も愛らしく、きっと皆に好かれている娘だろうと猫猫は感じた。
猫猫は女たちが自身を売る、そんな夜の街で生まれ育った。
男女の関係なんて飽きるほど見てきたし、不幸な結果も少なくなかったことも知っている。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。