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第2話

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2023/06/20 07:34 更新
一ノ瀬葵
私病気なんだよね〜
一ノ瀬葵
だから一緒に花火大会行きたいな
一ノ瀬葵
最期になるかもしれないから
自然と涙が溢れてくる。
あの日の言葉が頭の中で響く。
夏も過ぎ去ったくらいの落ち着いた気温の中、一ノ瀬葵の葬式は行われた。
月本颯太
助けられなくてごめん
一ノ瀬葵
ううん
一ノ瀬葵
しょうがないもん
月本颯太
でも、
一ノ瀬葵
だからさ
一ノ瀬葵
来年も、連れてってね?
にこっと笑ってくれた。
彼女は
来年も来れると思っていたのだろうか?
こんなにも進行して、車椅子も乗って、苦い薬に耐えて辛かっただろう
なのにどうして君は笑えるのだろうか
どうしてその笑顔を絶やさずに俺に見せてくれるのだろうか
お先真っ暗だと思っていた俺に比べ彼女は"明日"が見えていた。
突き進んでいた。
一ノ瀬葵
すごい!めっちゃ綺麗!
どうして彼女なのだろうか
こんなに元気で綺麗で
一ノ瀬葵
ね!颯太くんすごいね!
月本颯太
あぁ
月本颯太
めっちゃ綺麗
とても綺麗だった。
月本颯太
どうして、、っ!!
もう一度君に会いたい
それだけが願いだった。

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