私は…やっぱりレトルトくんが……
好き
こんなにもずっと好きで、一途でいた。
ずっとレトルトくんのそばに居たのは
いちばん一緒にいたのは私なのに
なんで
なんで私を選んでくれなかったんだろう
ふと、そう辛くなった時だった。誰かが近ずいて来るような音がしてはっと顔をあげる。
するとそこにはあなたの下の名前ちゃんがいた
優しい暖かい声だった。
こんな人だから、レトルトくんはあなたの下の名前ちゃんを選んだんだ。
よりによって私がずっと見てきたあなたの下の名前ちゃんのことを好きになっていたなんて。
お互い好みは似てるのにな
悔しいけどあなたの下の名前ちゃんには嫉妬ができない。だってもともと私があなたの下の名前ちゃんの大大ファンだったし
……あなたの下の名前ちゃんは嘘をついている。
私に気を遣わせないように、嘘をついている。
私、知ってるよ。
さっき私がレトルトくんに引っ張られて走ってる時、心配そうな顔をして、こっそり着いてきてたこと。
その時にぎゅっとお腹を握ってたこと。
萌香ちゃんの気持ちに、前まで気づかなかったけど、レトさんのことが好きなのかもしれない
今までの行動を振り返ってもなんとなく、そういう感じもするし。
なんで今まで気づいてあげられなかったんだろう
レトさんとの会話少し聞いちゃったけど、泣いてたよね…
レトさんが萌香ちゃんのことを大切に思っているのは分かる。でもそれを今伝えたところで良いという訳では無いかもしれない。
だって、萌香ちゃんはきっと恋愛として好き、だから。
だって私は聞いてしまったんだ…。レトさんが私のことを可愛いと言っていたことを。
そしてそれを聞いた時、密かに唇を軽く噛んで瞳を揺らした萌香ちゃんの顔を見ちゃったから……。
今までレトさんの恋を応援してたのも、きっとレトさんのことを大切に思ってたのもあるし、私のこともきっと認めてくれてたんだよね
私の自意識過剰なだけだといいが、萌香ちゃんを私が傷づつけている可能性は少なくない…。それがどうしても嫌だった。
萌香は疲れ切ったような、切ない笑顔を浮かべ、涙を流た。
やっぱりそうだったんだ…
力なく笑う萌香の瞳が大きく揺れていた。
少し沈黙の続いたまま、私がなんて言葉をかけていいか分からなくなった時。
トントンと、私の肩を誰かが叩いた。
びっくりして振り返る。するとキヨがいた。
大丈夫かな……。
ふざけて言ったのかと思い顔をあげると、キヨは真っ直ぐな視線で私をじっと見つめていた。
キヨは笑い飛ばすようにはははと笑う。
俺が気づくのが遅かったが、レトさんがお気に入りだと言って俺に見せつけてきた上着だ。
優しくて、何故かどこか悲しげな目で、羽織った上着を見つめるあなたの下の名前を見て、少しチクッと胸がいたんだ。
レトさん…と、付き合ってんのかな
俺と話す前も、レトさんって呟いてたし
そんなに好きなんかな
俺は感情を押し殺していつもへらへらしていることしか出来ない。
うっしーもこれみたらきっと悲しむんだろうなw
でもあなたの下の名前の心配してくれる優しさからまたどきりと胸がなる。
そして、俺を心配しときながらも、レトさんの上着をまた見つめて下を向くあなたの下の名前。
レトさんとのことだろう。付き合ってたとしたならそれは恋人同士の問題の悩みだろうな。
俺の知らないところであなたの下の名前と男が2人きり…。まぁあなたの下の名前が幸せなら良い
なんて綺麗事は、口から出てしまうけど、そんなに俺は良い奴なんかじゃないし、もう死にたくなるぐらい嫉妬と悲しみにつつまれるんだろうな。
レトさんはまぁ良い奴(?)だから、心配することはねぇけど。
聞きたくないけど、あなたの下の名前が悲しい思いしてるなら、少しでも気持ちを軽くしてやりたい
あなたの下の名前は辛いだろうに、これを聞いて安心する俺は最低な男だ。
to be continued












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。