第7話

 陸 
204
2024/01/24 10:00




私が豹馬人間の家に来て3日が経った。




そしてその豹馬は私に背を向け、寝息を立てている。




 あなた 
 (人狼に背中向けて寝るとか 
 どんだけ危機感ないの…)





そもそも私を自分で面倒見ると




言っている時点で危機感は皆無だろうけど。




でも背中見せて武器も何も持たず寝るとか




是非私を食べてくださいって言ってるようなもんでしょ。





 豹馬 
 豹馬 
 …食べるぞ… 

 あなた 
 (あんたが食べられる側だよ) 




なんて心のなかでツッコミを入れる。




 あなた 
 …… 





こんな人間なんてさっさと殺して




ここから逃げ出して




復讐をして―――




なんでしてないんだろう。




私のこの爪を




牙を首筋に立てれば簡単にできることなのに。




 豹馬 
 豹馬 
 あなた… 

 あなた 
 ! 





豹馬がうっすらと目を開け、




此方側に体を向ける。




その時なぜか反射的に爪を後ろに隠した。




 豹馬 
 豹馬 
 …耳 





そう言うと私の頭の上の耳に手を伸ばしてきた。




耳や尻尾を消すのには力がいるから、




消す必要がないときは基本出していた。





 豹馬 
 豹馬 
 ふにふにじゃん 

 あなた 
 やっ………! 





ゾクッとした感覚が全身を走る。




 豹馬 
 豹馬 
 …耳弱い? 

 あなた 
 んなっ……!? 





さらに触ってくる豹馬の手を振り払おうとする。




何この感覚…!




 豹馬 
 豹馬 
 力使って消せば? 

 あなた 
 触られてる間は消せないの! 

 豹馬 
 豹馬 
 いいこと聞いたわ 




そう言うと豹馬は手をパッと離した。




 あなた 
 …… 





また触られることのないように即座に耳と尻尾を消す。




ちょっと殺意湧いたよね。




 あなた 
 死ぬ? 

 豹馬 
 豹馬 
 疑問形怖いわ 




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