私が豹馬の家に来て3日が経った。
そしてその豹馬は私に背を向け、寝息を立てている。
そもそも私を自分で面倒見ると
言っている時点で危機感は皆無だろうけど。
でも背中見せて武器も何も持たず寝るとか
是非私を食べてくださいって言ってるようなもんでしょ。
なんて心のなかでツッコミを入れる。
こんな人間なんてさっさと殺して
ここから逃げ出して
復讐をして―――
なんでしてないんだろう。
私のこの爪を
牙を首筋に立てれば簡単にできることなのに。
豹馬がうっすらと目を開け、
此方側に体を向ける。
その時なぜか反射的に爪を後ろに隠した。
そう言うと私の頭の上の耳に手を伸ばしてきた。
耳や尻尾を消すのには力がいるから、
消す必要がないときは基本出していた。
ゾクッとした感覚が全身を走る。
さらに触ってくる豹馬の手を振り払おうとする。
何この感覚…!
そう言うと豹馬は手をパッと離した。
また触られることのないように即座に耳と尻尾を消す。
ちょっと殺意湧いたよね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。