事務所から出してもらった車を降り、待ち合わせ場所へ向かう。
そこは、収録スタジオの中でも一際大きく、多くのアニメの制作をしている場所だった。
他の声優さんのマネージャーさんが慌てて取ってくれたという大きな談話室に向かった。
部屋へ入ると、梅原さんを初めとし、江口さん、雄馬さん。
そして各自他の声優さんと電話をしていた。
どうやら、『秘密屋』の再来を受けてメディアからの取材がキャストに殺到。
マネージャーがその対応に追われ、同じく出演していた別の声優さんのマネージャーと連絡を取りあっている。
というわけだった。
ん〜、と沈黙が流れる。
沈黙を破ったのは海鈴だった。
核心をつく海鈴。
私は当時、映画こそ見たけどその時はぜんっぜん声優について興味があんまり無かった。
これは当事者の江口さんたちに聞くしかない。
あ、そうそう。
『秘密屋』には江口さん、雄馬さん、梅原さん3人とも出演なさってるんだよ。
そう思うと、同年代の雄馬さんや梅原さんが、まだ新人枠で出ていた頃に主演をしていた飛鳥さんの"バグ"さがよく分かる。
次回、『理由』。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。