第3話

楽しい
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2026/02/01 02:01 更新
冬弥
冬弥
あの…朝比奈さんはこの歌を知っているんですか?
冬弥…と自己紹介してくれた子は顔を上げてこちらを見た。
まふゆ
まふゆ
うん。知ってるよ。
冬弥
冬弥
その………
眉を下げながら言い淀む、彼の顔をじっと見つめる。
見れば見るほど妖精のような容姿をしているなんて場違いな思いを抱いた。
冬弥
冬弥
──この歌の名前は、知っていますか?
まふゆ
まふゆ
────え?
冬弥
冬弥
歌、自体は覚えているんですが…何故この歌を知ってるのかまでは分かっていなくて…名前を聞けば、分かると思ったんです。
その言葉を聞いた時、何となく思った。
まふゆ
まふゆ
(あぁ、この子は)










まふゆ
まふゆ
(記憶がないのか……)
ただの妄想。そう思っただけ、確信はつけていない。
でも、その言葉が一番しっくりきた気がした。
まふゆ
まふゆ
…ごめんね、私も名前までは分からなくて
冬弥
冬弥
っ…そうなんですね…すみません。もしかしたらと思って期待をしすぎました。
また、眉を下げて苦笑する。






モヤッ
まふゆ
まふゆ
(………なんだろう、不整脈…?)
冬弥
冬弥
…あの、朝比奈さん…?
変な気持ちを抱えながら彼の顔を見る。

よく見たら少し疲れたような顔をしていた。

それは今が夜だからなのかは分からない。でも、彼のために何かをしてあげたい…しなくちゃと脳が指示をする。
まふゆ
まふゆ
……ねぇ
私の声を聞いて、彼は目を見開いた。

いつもの声じゃなくて”本当の私”の声を出したから。
まふゆ
まふゆ
私と…歌って見ない…?
また、彼は目を見開く。

急に歌おうと言われて脳が処理しきれていないのか数秒間固まってから目元を緩めて、「はい。」と嬉しそうな顔で答えてくれた。
まふゆ
まふゆ
歌は…さっきので大丈夫?
冬弥
冬弥
はい。大丈夫です……けど……
まふゆ
まふゆ
本当の私を受け入れるのが早くないかな、と思ったがそのまま歌おうとしたところで少し窄んでいく声でこう、発した
冬弥
冬弥
俺に…相手が務まるのか…?
今度は私が見開く番だった。
まふゆ
まふゆ
……
あんなにも綺麗な歌声を響かせていたと言うのに、誰かとデュエットをするとなるとどうも自信がなくなる子らしい……彼は気づいてないのだろうけど

そんな彼を見てちょっと罪悪感が生まれてしまったけど、それよりも彼の歌声を聴かないと、と脳が急かしてくる
まふゆ
まふゆ
私は、メロしか歌えないんだけど…冬弥くんはどのパート、歌える?
少し、目を泳がせた彼はこちらを見て
小首を傾げながら
冬弥
冬弥
……全パート、歌えます。
この子は神童かなにかなの…?、とやっぱりびっくりする。
まふゆ
まふゆ
じゃあ、自分の好きなパート…歌って
冬弥
冬弥
…はい!
明るい顔で彼は返事をした。
そんなに歌える事が嬉しいんだ、と内心暖かくなってくる。



まふゆ
まふゆ
ふふ、じゃあ始めるよ 1、2────












まふゆ
まふゆ
───────────♩
冬弥
冬弥
──〜〜────♩







彼はハモを入れ始めた、メロより数倍高い音を風に乗せて響かせる。





まふゆ
まふゆ
(……あぁ、……)












まふゆ
まふゆ
(楽しい………!)

















そう、思って次の音をのせようとした瞬間

私達の目の前に淡い光が飛んだ。







冬弥
冬弥
……っ!?
まふゆ
まふゆ
ッ…………、?


















その光は、あの時と同じ光だった。


























|彡.。.:*・゜シャラン.*・゚ .゚・*.

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