練習室での衝突から数日。
奏の学院生活は相変わらず自由奔放さで、彼の存在はユニットにとって
腫れ物となっていた
そんな中、夕いつ、彼に積極的に接触を試みる者がいた
薫は中庭の噴水脇にあるベンチに座り
めんどくさそうにしている奏に声をかけた
いつものように軽い口調だが、その瞳にはどこか真剣ないろが宿っている
奏はベンチの背もたれにもたれかかり、青空を見上げる
薫は小さくため息をつき、
奏の隣に腰をおろした
奏の口調に鋭いトゲが交じる
薫の言葉は奏の過去に深く突き刺さる
奏は目を知事たママ冷たい声で返した
薫は優しげな笑みを消し、まっすぐ奏を見つめた
奏は立ち上がった
薫の言う事が図星だからだ
彼は薫の顔を見ることなくその場を去る
彼の足は自然と学院で一番高い、人のいない場所へ向かった
<学院の屋上>
吹き付ける風邪が奏の黒い髪を揺らす
薫の言葉が頭の中で反響する
強い風に吹かれながら
奏は決意を新たにした
その時、屋上のドアが勢いよく開いた音がした
彼は額に汗を浮かべ、息を荒げている
晃牙は不機嫌さを隠そうともしない
すると晃牙は突然
ポケットからヘッドフォンとスマホを取り出した
晃牙は音量を上げ、荒々しいビートを空気に叩きつける
そして奏を指さした
ルールも脈絡もない、突然の「勝負」の申し込みだった
奏は薫あら逃げたばかりの場所で
今度は真正面から自分の「自由」を試されることになった
奏の骨格がわずかに上がる
面倒くさいはずなのに、晃牙の純粋なまでの音は
奏の心の奥ぞ個に眠っていた
活動敵衝動を呼び起こした
屋上を吹き抜ける風が孤高な二人のアイドルの挑戦的な歌声を吸い込むように
運び去っていった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。