第181話

No.180
1,167
2024/07/15 10:19 更新
あなたside



毎日のリハビリに定期的な検査。


結果を聞くと体は少しずつではあるが


回復に向かってるとお父さまに言われた。




でもわたしはよくなってると感じられない。


事故の後遺症でまだ歩けないこと


一部分記憶が戻らないことは変わってないから。









ぼーっとしてるとドアのノック音が聞こえた



すぐにお父さまが入ってきて


そのあとに続いて一人の男の人が入ってくる。


見た感じ、わたしよりも年上のひと。






お父さま『今日からあなたの主治医になってもらう。
     紹介しておこうかと思ってな。』




後ろにいた男の人はペコッ と頭をさげた。






お父さま『水野くんだ。まだ若いが、
     脳外科のスペシャリストだ。』



何かいいことでもあったのか


めずらしくお父さまが笑顔で話している。


お父さまの後ろからこっちに一歩踏み出して

笑顔を見せながら話始める
水野先生
はじめまして、水野と申します。
よろしくお願いします。
あなた
あっ…はい…
よろしくお願いしま…す。
お父さま『では、水野くん。あとはよろしく』


白衣の胸元でケータイが鳴り足早に病室を出ていく。


水野先生はお父さまに静かに頭を下げてから


わたしの方に向き直す。







二人きりになった病室。
水野先生
あらためてよろしくね。
さっきよりもフランクに話しはじめて


差し出された先生の右手を少し見つめてから


わたしも右手をだして握手をする
水野先生
手、冷たいね。大丈夫?
あなた
大丈夫です。
水野先生
寒かったりしたらすぐに言うんだよ。

繋がれてる点滴や機械の数値などを真剣な表情で

確認するとまた笑顔になった



水野先生
あなたさんとは長いお付き合いになる
と思うからこれからよろしくね。
あなた
長い付き合いですか?
水野先生
うん。長いお付き合い。
あなた
それは、わたしがちゃんと治るまでに
相当な時間がかかるから…ですか?
水野先生
それは、ちがうよ。
このことはまた今度話すね。
水野先生
では、患者さん本人からいろいろ
聞きたいのでいくつか質問しながら
雑談を交えて話させてください。

そのあと、水野先生はいろいろな質問をしながら


優しくゆっくりと話を聞いてくれたり


自分の話をたくさんしてくれた。



最初は緊張や抵抗があったけど途中から


それもなくなり少しずつ笑えたり


スムーズに話すことができるようになった。
水野先生
あなたさんってなんかおもしろいね!
あなた
おもしろいですか?!笑
水野先生
んーー。なんかおもしろい!笑
今まで会ったことないタイプかも。


他愛もない会話を続けていると


コンコンコン


と病室の扉をノックする音が聞こえた。
あなた
あ!どうぞー。

あなた
目黒さん!
目黒蓮
よっ!
って、今はダメだったかな?
水野先生
いやいや、とんでもない!!
こちらこそお邪魔かな?
あなた
えっ?
水野先生
あなたさんの彼氏さんですか?
水野先生は サッ   と立ち上がった


目黒蓮
いや、、、。違います…。
水野先生
そっか、ならよかった。
目黒蓮
え?
水野先生
いえ、なんでもありません。
それではまた様子見にきますね。
あなた
はい。ありがとうございました。


静かに戸を開け綺麗なお辞儀をして

水野先生は出て行った。



目黒蓮
新しい先生?
あなた
うん!
担当の先生がお父さまから
あの先生!水野先生に変わるみたい。
目黒蓮
そうなんだ。
あなた
お父さま忙しいから…。
目黒蓮
違う先生に任せられるほど
よくなってきてる証拠じゃない?

目黒さんは目を細めて白い歯をみせて

わたしに笑って見せた。


目黒蓮
あっ!そうそう!
しょっぴーからこれ預かってきたよ!


カバンの中をゴソゴソと探すと

携帯電話を手渡された。


あなた
携帯ですか?
目黒蓮
新しいのまだ買えてなかったでしょ?
しょっぴーがこれ渡してくれって。
忙しくなるからせめてメールとか
できたら。って
あなた
申し訳ない気持ちでいっぱいですけど…
嬉しいです!ありがとうございます。
またあとで連絡してみます!
目黒蓮
うん。あとでお礼伝えてあげて!
ついでに俺のも教えとくね!


2人で携帯を見ながら


あーでもない。こうでもない。


こっち?これは?なんて言いながら


やっと翔太さんにメッセージを送れた。



目黒蓮
ふーっ。
俺もあんまわかんなくてごめんね。
あなた
いえ、とんでもないです。
ありがとうございます!
目黒蓮
じゃ、俺そろそろいくね!
あなた
あっ…すみません。
ありがとうございます。
目黒蓮
またくるから!


病室を出ていくのを見送ると

携帯が ブーーーーーン と振動音をだした






めめから受け取ってくれたんだ。
俺はいま撮影中。





ぶっきらぼうな返信が届いた。


なぜか新鮮な気持ちとは違う懐かしい気持ちを


感じながらまた返信を返そうと指を動かした。




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