I must have been dreaming.
きっと夢を見てたんだ。
I almost wish I could think that way.
いっそ、そう思ってしまいたい。
離婚した母を恨んだ死んだはずの元父親が
怨霊になって 母を殺したらしい。
10歳だった頃の私は 難しいことは
頭に入らず、ただ "母がいなくなってしまった"
という事実だけが頭の中に記録されていた。
その当時私を施設に入れる手続き等を
行ってくれたこのよく分からない組織だけが
強い印象だった。
18歳。成人して施設をでて、
自由に暮らすはずの予定が すべて崩れ落ちた。
きっとあの訳も分からず入れられた
孤児施設は 成人したら自動的に
この組織に入れられるシステムだったのだろう。
あんなに優しかった大人たちも、
私の話を聞いてくれたカウンセラーのお姉さんも
全員、私を騙してたってことだ。
私、何であんなに自信満々で
教師になる夢語っちゃったんだろう。
カウンセラーの人は内心笑ってたのか?
私は一生ここで暮らすのだろうか?
こんなよく分からない組織で?
適当に続けて切りの良いところで
転職しよう。そうだ 今のうちに
他の仕事を探してみよう。
そしたら 少しは希望が
ガシャンッ初めて 身体が恐怖によって硬直する
という感覚を覚えた。
割れた大きな窓から見えるのは
おぞましい黒い影。太陽を
防ぐほどの大きさだった。
黒い影を見つめる。
いや、目を離せないと言ったほうが
この場合は正しかった。
小柄で自らを人工知能と称していた人は
飛ぶようにして 遠く離れたビルの屋上に移動した。
そして 黒い影はそれをついて行くようにして
どこかへと消えた。
初任務の一般隊員とは
私のことだろうか。
それともこの人も含めての事だったのか‥?
大人びているように見えた彼女は
そう言って少し無邪気な笑顔を見せた。
段々と拡大していく黒い影は
何かに嘆きながら 嗄れた遠吠えをあげた。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!