私は人見知りをする方だ 。
　　だから男子と話すのも得意ではないし
　　ローレンとも席が離れたらきっともう
　　話さなくなるんだろうなぁ 、と思う 。

　　だからこんな状況を上手く切り抜ける
　　方法なんて分からないのだ 。

　　時は少し遡り 。放課後 、通り雨らしきものが
　　降っていて晴れ予報だったので傘もなく
　　人がいつもいない屋上に繋がる階段の
　　踊り場で雨が止むのを待っていた 、のだが 。

　　暇だしゲームでもしようと思いアプリを
　　開くと思ったより大きな音が出た 。
　　すると階段下から声が聞こえて人が
　　いることに気づいた 。

　　3年の葛葉先輩 。生徒会長の叶先輩とよく
　　一緒にいて名前だけは知っている 。

　　階段の上と下で会話をしているという
　　なんとも珍妙な光景だ 。
　　ここから離れるのが吉だと分かってるけど
　　他に人居ないところってどこだろう！？

　　何だか先輩のスイッチを押してしまったのか
　　ゲームが余程好きらしい彼は階段を
　　登ってきてスマホを取りだした 。

　　私の周りにこのゲームやってる人いないし 
　　折角この話をしたんだしと思いおずおずと
　　そう提案してみると彼は顔を輝かせた 。

　　隣失礼します 、と小声で言われて
　　少し隙間が空いた隣に彼が座って
　　私たちの素材集めが始まった 。

　　
　　ふと外を見ると雨はもうやんでいて
　　今日はここで切りあげることになった 。
　　流れで連絡先を交換してまた今度ここで
　　ゲームをしようと約束した 。

　　

　　きっともう直接話すことはない 。
　　… なんてことは無くフラグが
　　立っていたなんて私は気づく訳もなかった 。




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