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第2話

002
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2026/02/11 00:21 更新
…  あの図書室の出来事から
数週間がたった頃
私はもう、好きかもしれないという感情が
好き、という確信的なものに変わりつつあった。
『  子分!今日は俺様
外食したい気分なんだゾ! 』
そんな中、ウチの親分からこんな発言 。
私は、これアズール先輩に会いにいく口実になるし
チャンスでは …… ?と思い、
『 じゃあモストロラウンジでも行く? 』
と提案してみた
するとグリムは案の定ぱっと顔を輝かせて
『 行く! 』
と言った 。

『  あ、小エビちゃん来たの〜?
いらっしゃ〜い ♡ 』
モストロラウンジに来ると、いつも通り
賑わった客の声と忙しそうな従業員の声が飛び交っていた
今日は一段と混んでいるようで、
話しかけてくれたフロイド先輩も少し忙しそうだ 。
『 こんにちは〜 席空いてます? 』
『 テーブル席なら空いてるよ〜 案内すんね
着いてきて〜 』
『 俺様もう待ちきれないんだゾ〜!! 』
そう言ってフロイド先輩に早歩きでついて行くグリム 。
私は少し立ち止まって目的の彼を探す 。
『 … ぁ、いた 』
彼 …… アズール先輩も、今回は珍しく
ホールにて従業員に指示を忙しそうに出していた
話しかけられそうにないな、と思い、
私はグリムとフロイド先輩の後を追った 。


『  子分!俺様スペシャルセット頼みたいんだゾ !  』
『 いいよ〜最近学園長に金せびったから
お金に余裕あるし。 好きなの頼みなさい 』
『 やったー! 』
メニュー表を見ながら楽しそうにするうちの親分 。
はあ、癒されるわ〜 … 私もなんか頼もっかな
『 すいませーん
スペシャルセットひとつと
限定フード付きメニューお願いします 』
『 はい!少々お待ちください! 』




数十分後、料理を食べ始めていると、
少し店が空いてきて、どうやら混雑を捌いて
乗り切ったようだ 。
『 アズール先輩は … 』
少し探してみると、疲れたのかバーカウンターの
椅子に座って一息ついていた 。
( お疲れ様です )
そう心の中で呟くと、伝わったのか何なのか、
先輩とばちっと目が合ってしまった 。
『 やば 』
心臓が跳ねて、咄嗟に目を逸らす。
数秒たってこっち気づいてた!?だとか
目逸らさなきゃよかった!!!!とか思い始める 。
うわぁぁ手振るくらいしとけば … !!
またそんなこと思っていると、コツ … コツ … と
足音が近づいてきた 。

『 こんばんは 監督生さん 』
『 あっ、こんばんは …… 』
足音の正体はなんとアズール先輩 。
疲れているはずなのにわざわざ挨拶にきてくれたようだ 。
『 いらしていたんですね
忙しくて気づけず すみません 』
『 いや、だ、いじょうぶです
こっちも忙しい時に伺っちゃってすみません … 』
営業スマイルにこにこ笑うアズール先輩 。
営業でも正直アズール先輩の笑顔が好きな私は
眩しすぎてアズール先輩の方を向けない 。
てか意識してから話すの初めてだから
めっっっちゃ緊張する 。
『 グリムさんもこんばんは、料理はどうですか? 』
『 めちゃくちゃ上手いんだゾ!! 』
『 それはよかった! 』
ふがふがと食べながらそう答えるグリム 。
アズール先輩も営業の仮面を崩さずそう答えた。
『 というか監督生さん、モストロラウンジに
夕食を食べに来るなんて珍しいですね
何か用事ですか? 』
『 えっっ、あ、いや …
グリムが今日は外食がいいって言ったので … 』
急に聞かれて戸惑う私 。まぁ全然嘘では無いんだけど
正直私欲になるとアズール先輩に会いたかったから、
になってしまうので抑える 。
『 …… そうですか 』
そう言うと帽子を少しだけ深く被って
声色が低くなるアズール先輩 。
『 ? あの、どうかしましたか … ? 』
『 いえ、なんでもないです それでは、この後も
ラウンジを楽しんでくださいね 』
それだけ言うとくるっと私とグリムに背を向ける
アズール先輩 。
ちょまってまだ行かないでぇぇ!!!と心の中の私の叫びも
むなしく歩き始める先輩 。
なんか引き留める言葉 … なんか引き止める言葉 … !!!
『 … あの!こ、この前、勉強教えてくれて、
あっ、ありがとうございました!
また、教えてください ! 』
死ぬほど頭をフル回転させて出てきた言葉だった 。
もうちょっと上手い言葉なかったんか!???と
心の中の私はしぬほど叫んでいるけれど、
アズール先輩は私の声にぴくっと反応してから
またこちらを向いて、
『 …… いいでしょう、予定が空いたら連絡します 』
と、先程の笑顔とは違う、とびきり嬉しそうな顔をして
そう言った 。
『 あ … ありがとうございます! 』
先輩の顔をようやく見れたかと思ったら急にその顔が
視界に入ってきて、正直しにかけになった私だった 。




あれ待って、
私、せ、先輩とまた会う約束を
取り付けてしまった …… !????


















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