病室に菊岡が訪ねてきて、十数分が経っていた。
あなたと菊岡はSAOで起きた出来事についての話をしていた。
菊岡誠二郎
「なるほどね。キリト君の話とも相違ないね。随分と大変だったみたいだしね。」
あなた
「まぁね。正直俺一人じゃとっくに死んでたし、キリト達が居なかったらと思うとゾッとするね。」
菊岡に話をするうちに、SAO内での日々を思い出す。楽しいことも、苦しいことも、悲しいことも山のようにあった。
あなた
「…皆元気かな…」
大切な友人たちのことを思い出し、無意識に口からこぼれる。
菊岡誠二郎
「どうかしたかい?」
あなた
「あぁ…いや…仲間たちのことを思い出したから、皆大丈夫かなって。」
菊岡誠二郎
「ふむ…本当は良くないんだけど、僕の頼みを聞いてくれたら、君の欲しい情報を提供してあげられると思うよ。」
菊岡は何やら頼み事をしたいようだ。その代わりにこちらの望みを叶えるという報酬付きらしい。
あなた
「頼みの内容による。」
菊岡誠二郎
「いや何、大したことじゃないんだ。僕は仕事柄仮想空間に関することに関わる機会が多くてね。君には実際に仮想空間へ赴き、調査して欲しいんだ。もちろん別にバイト代も用意するよ。」
悪い話ではない。あなた自身も仮想空間が好きだし、それに関することに関われるのなら喜ばしいことだ。しかし、この男に感じる胡散臭さが、無くなることなく警戒心を刺激してくる。
あなた
「…分かった。その話受けるよ。」
菊岡誠二郎
「ありがとう!君ならきっとそう言ってくれると思ってたよ!」
菊岡は笑顔で手を握ってくる。その後、簡単に話をまとめ、後日また話をする機会を設けるらしい。
あなた
「さてさて、どうなる事やら。」
菊岡達が帰って静かになった病室で、誰に聞かせるでもない独り言が口からこぼれたのだった。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!