ガタンゴトン…
頼み事があるって言われたから何かと思ったら……
『スマホの充電切れたからさ、ちょっとスマホ貸してくんね?www』
だって。なにそれ💢
そう言いながらスマホの画面を僕に見えないようにする。
何見てんだよ…。
ガタンゴトン…
電車の揺れに負け、ころん先生が僕の胸に寄ろける。
ドキッ
やっぱりころん先生ちっちゃいなぁ…少しの差ではあるけど…
髪もサラサラだし、目もくりくり。
そしてほんの微かに懐かしい良い匂いがする…。
乗客が一斉に僕に視線を向ける
嘘…声に出してたなんて…恥ずかしい/////
ピッ(Su○caを使う音)
万遍の笑みの中に少し虚しさを感じさせる笑顔でそう放ち
くるりと後ろを向きどんどん離れていく。
毎回この時がすごく苦しい。
前は帰る時は最後まで一緒で、次の日も一緒で…
悔やんだってしょうが無いのはわかってるけど
苦しいんだよな…
そうして僕も彼の姿が小さくなるまで見守り反対方向へと進んでいく。
ガチャッ(家の扉を開ける)
なんて言っても僕一人。
癖で言っちゃうんだよねw
あのケーキにしようかと思ったけど…
この、ころん先生に抱いてる気持ちはきっと尊敬とかなんだ。
恋心と決まったわけじゃないし。
そう考えたら少し楽になる。
そうして僕はパソコンに向かって作業を始めた。
続く。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。