第15話

#14︰雨宮さんの休日
31
2024/06/11 12:21
朝が始まった。
目覚まし時計を止め、速攻で髪の応急処置をした後、私は早足でリビングへ向かう。
私の両親は2人共夜遅くに帰ってきて、朝早くにいなくなる。
普通ならなんとも寂しい家庭だが、私は全く気にしていない。
雨宮さん
雨宮さん
今日の朝ご飯は...やった、パンだ。
いつも朝食が置いてある冷蔵庫には、スナックパンなどの菓子パンが色々入っていた。
あ、インターホンが鳴った。
雨宮さん
雨宮さん
早いです。
版台 勇乃
版台 勇乃
おはよ、ルル。
第1土曜日と第3日曜日は、勇乃さんと朝食を摂る。
版台 勇乃
版台 勇乃
もう髪セットしたの?
雨宮さん
雨宮さん
痛み入ります。
版台 勇乃
版台 勇乃
使い方違くない?
勇乃さんがスナックパンを咥えたまま、私の髪を手でいた。
私の顔が赤くなったのは、自分でも分かった。
版台 勇乃
版台 勇乃
たまには私がやってあげるよ。
豪快に私を座らせて、勇乃さんはヘアゴムやら何やらで私の髪を改造し始めた。
本文代理
言い方。
本人代理が自我を持たないでください。


勇乃さん好みの髪型にされた後、散々賞賛を受けつつも割とあっという間に朝食を平らげてしまった。
版台 勇乃
版台 勇乃
私すぐお腹についちゃうんだよねー...
ルルは?
雨宮さん
雨宮さん
僭越せんえつながら、私はほぼ胸に行くので。
版台 勇乃
版台 勇乃
いや嘘つけ。全然無いでしょ。
虚勢を張り上げながらも、冗談のつもりで言った。
雨宮さん
雨宮さん
触りますか?
版台 勇乃
版台 勇乃
触る。
雨宮さん
雨宮さん
えっ?
本文代理
この小説は百合小説では無いのでここから先は削除されました。
ここからは家族から隠してあるバイクの点検だ。
私のバイクは我ながら美しく、そして華奢きゃしゃでもあった。
まあ、勇乃さんのバイクには及びませんが。
雨宮さん
雨宮さん
今日も特に変化は―...
前輪の部分に蜘蛛の巣が張られている。
雨宮さん
雨宮さん
蜘蛛の巣があるのなら...すぐそばに本体もいるはずですね。
いた。何の種類の蜘蛛くもかは分からないが、見た感じ害は無さそうだ。
雨宮さん
雨宮さん
'実験'に使えそうですね...ふふっ。
その場面の想像で口を笑わせながら、その蜘蛛を持って家に戻った。
偶然家の前を通りかかった知らないお婆さんからは、何か見てはならない物を見てしまったかのような視線を向けられた。
の話し合いから帰ってきた私は、そのままソファに寝転がった。
スマホをいじっていて、何気なく瞬きをして目を開けたら夜だったはずが朝になっていた。
スマホの充電が凄く減っている。
疲れていたからか、気づかないうちに寝落ちしていた。
何故か私に掛かっている掛け布団は帰ってきたお母さんがやってくれたのだろう。
雨宮さん
雨宮さん
まずい...!
昨日は土曜日だったから、今日は日曜日。
団の数人で出掛ける約束があったんだった。
私はまた速攻で準備を終わらせ、家を飛び出していった。

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