第75話

第75話 星に預けた秘密🌠
753
2026/06/30 11:08 更新

 
 










7月に入ると、校舎も少しずつ夏の匂いが混じり始めた






窓の外では笹が揺れ、






廊下では色とりどりの短冊が飾られている










(なまえ)
あなた
……、
しゅうと
しゅうと
七夕かぁ


   
あなたが足を止めると、しゅうとが笹を見て言った





かざね
かざね
もうそんな時期か
(なまえ)
あなた
早いですねぇ……
りもこん
りもこん
書くか
ふうはや
ふうはや
俺の全力見せてやるよ
しゅうと
しゅうと
全力出す場所間違えてるだろ……















      〜〜書き書きタイム〜〜















かざね
かざね
りもこん何書いた〜?




かざねがりもこんの短冊を覗き見ようとする   







すると、りもこんは一歩下がった








りもこん
りもこん
見るな
かざね
かざね
まだ何もしてねぇよ
りもこん
りもこん
する顔だった
かざね
かざね
被害妄想
りもこん
りもこん
経験ゆえ
ふうはや
ふうはや
じゃあ教えろよ〜




ふうはやも悪ノリする







りもこん
りもこん
……まぁ、聞いて驚くなよ




一瞬迷ったものの、言ってくれるらしい


















りもこん
りもこん
世界征服
(なまえ)
あなた
えっ……
ふうはや
ふうはや
サスガ……
りもこん
りもこん
(仮)
(なまえ)
あなた
仮なんですか!?
りもこん
りもこん
保険
しゅうと
しゅうと
世界征服に保険ってあるんだ……
りもこん
りもこん
失敗した時の逃げ道だよ
かざね
かざね
弱気じゃん







そこへ、ちょうどそこを通った先生が









先生
先生
願い事を言ったら叶わないぞー
先生
先生
(迷信だが)
りもこん
りもこん






そして職員室へ去っていく









(なまえ)
あなた
……、





沈黙










りもこん
りもこん
あっぶねぇぇぇぇぇ!
しゅうと
しゅうと
…え?
かざね
かざね
……ん?
(なまえ)
あなた
本当に願い事は
世界征服だったんですか!?
りもこん
りもこん
いや違う違う違う!
(なまえ)
あなた
焦り方が本物ですよ
りもこん
りもこん
いや、流石に違うって……








りもこん
りもこん
危うく本命バラすところだったぁ……
ふうはや
ふうはや
ほぉほぉほぉほぉ……?
ふうはや
ふうはや
本命がぁ…?
かざね
かざね
あるんだねぇ




2人がニヤニヤと笑った











りもこん
りもこん
……あ





りもこんが固まる









しゅうと
しゅうと
自分で言っちゃったね
りもこん
りもこん
……もう帰るよ俺
(なまえ)
あなた
まだ昼ですよ








目が遠くなるりもこんを隣にして





ふうはやが迷いなく書き終えた









(なまえ)
あなた
早いですね
ふうはや
ふうはや
願い事なんて前から決めてたからね
(なまえ)
あなた
肉ですか?
ふうはや
ふうはや
違う!
しゅうと
しゅうと
ラーメン?
ふうはや
ふうはや
違う
かざね
かざね
エナドリ
ふうはや
ふうはや
お前だけ
りもこん
りもこん
筋肉
ふうはや
ふうはや
俺を何だと……?
りもこん
りもこん
違うのか?
ふうはや
ふうはや
……、





わかりやすく動揺して






ふうはや
ふうはや
……違う
かざね
かざね
へぇ
ふうはや
ふうはや
その『へぇ』やめろ!
(なまえ)
あなた






一方、しゅうとはペンを握ったまま考え込んでいた










しゅうと
しゅうと
う〜〜ん……
ふうはや
ふうはや
決まんねぇの?
しゅうと
しゅうと
願い事って1つに絞るの難しい
りもこん
りもこん
贅沢な悩みだな
りもこん
りもこん
優柔不断





もう開き直ったりもこんが全力で茶化しにいく







しゅうと
しゅうと
違うよ





しゅうとが少し照れくさそうに笑った









しゅうと
しゅうと
……どれも叶ってほしいから
(なまえ)
あなた
……、





その言葉に、空気が柔らかくなった








ふうはや
ふうはや
いいじゃん





ふうはやが笑った










かざね
かざね
……ふぅ、こんなもんか?
りもこん
りもこん
ほら、白状しろよ
かざね
かざね
嫌だわ
(なまえ)
あなた
最初の一文字
かざね
かざね
秘密
かざね
かざね
てかわかんねぇだろ笑






余裕の笑みを浮かべる









   
かざね
かざね
……そのかわり
(なまえ)
あなた
かざね
かざね
叶ったら教えてやるから
(なまえ)
あなた
(なまえ)
あなた
約束ですよ
かざね
かざね
おう
りもこん
りもこん
皆で開示すれば怖くないぞぉ……
しゅうと
しゅうと









風が吹く







短冊同士が触れ合う音がした












しゅうと
しゅうと
あれ?
しゅうと
しゅうと
次移動教室だっけ
りもこん
りもこん
ふうはや
ふうはや
かざね
かざね
ふうはや
ふうはや
……じゃあ、また放課後な!
りもこん
りもこん
あばよ〜
かざね
かざね
またね
(なまえ)
あなた
はい!



















四人の背中を見送り




あなたはもう一度笹の前に立った











まだ、自分だけ書いていない






何気なく視線を上げる





色とりどりの短冊










(なまえ)
あなた
(どれなんだろ……)








四人の願い





少しだけ、ほんの少しだけ気になった








もちろん探すつもりはない








それでも目に入ってしまう







風が一枚の短冊を揺らした

















『第一志望校に合格できますように』
















あなたの指先が止まる











誰の字か分からない








四人の誰かかもしれない







違う人かもしれない


















それでも






胸の奥が、小さく痛んだ













そうだ




四人は三年生





















受験生だ












 
(なまえ)
あなた
(来年の春には___)










そこまで考えて、小さく首を振る










今はまだ







そんな先のことより。












あなたは静かにペンを持った















昔ならきっと、









『毎日笑えますように。』













そう書いていた







笑顔は願うものだった   







頑張って作るものだった










でも今は違うから













自然に笑える        









この人たちといると














だから願いも、少しだけ変わった













短冊にそっと文字を書き、





誰にも見られないように結びつける













風が吹き








五枚の短冊が、夏空の下で静かに揺れた






まるで、それぞれの秘密を優しく隠すように
















主
ヤバい
主
毎日がテスト勉強で笑うしかない
主
徹夜したいけど私にとっての徹夜って
23時なんですよ(昨日更新)
主
オールした人ってすごいなぁ……
主
眠すぎて次の日寝ちゃうのかなぁ
主
おついん!

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