康二が、死んだ
康二がいない世界で、俺は何を光に生きればいい?
ねえ、康二。俺は、どうしたらいい?
康二のお葬式は、たくさんの人が来てくれていた。
やっぱり、誰にでも優しくできる康二は多くの人に好かれていたみたいだ。
棺桶に入れられた康二の顔は穏やかで、今にも動き出して"嘘でした!"なんて言いそうだ。
いや、言って欲しいだけか...。
葬儀も終わり、いよいよ家に帰らなくてはならない。
家に帰ると、無意識にただいま、と言ってしまう。
リビングから康二が"おかえり!"と出てくる様子が想像出来る。
でも、もう康二はいない。
おかえり、とは言ってくれない。
今までは余裕がなかったから康二の部屋を見ていなかったけど、いざちゃんと見てみると康二のいた形跡がはっきりと残っている。
康二の匂いがして懐かしいような、安心するような不思議な感覚になる。
何をするにも康二との思い出を思い出してしまい、この日はご飯も食べられなかった。
ああ、康二に会いたい。
今すぐ空から戻ってきて"ただいま"って言って欲しい。
"ご飯、できたよ"って、"一緒にお風呂入ろか"って、言ってよ...っ。
その日からしばらくご飯は喉を通らず、眠ることも出来なかった。
1週間経っても2週間たっても1ヶ月たっても、康二がいないということを受け入れきれない。
康二はもう居ないってことを信じたくない。
そんな日々が続き、時が流れるのは早く、もう番組、YouTubeの撮影をしないといけない時が来た。
行けるような顔ではなかったが、とりあえず行くことにした。
でも、康二と歩いた道、康二と通った道、康二と良く見ていた店、康二とよく行ったコンビニ、康二と喧嘩した公園、全てに思い出が詰まっていて事務所に行くまでにどれだけの涙を流したか分からない。
やっとの思いで事務所に着いたが、その時には15分も遅れていた。
みんなが俺に抱きついてきて、俺は一瞬何が何だかわからなかった。
俺は、愛されてる。みんなも辛いはずなのに、俺のことを慰めてくれる。
康二が言ったように、このグループに入れて、良かった。
すみません、遅くなりました🙇♀️












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!