第10話

血の契約③
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2025/11/11 13:00 更新
目黒side

阿部亮平
たぶんこのまま開けようとしてもダメだから、とりあえず進んでみよ?
深澤辰哉
うん、
奥を見ると扉があり、異様に空気が重い空気が流れている。

廊下の先に、他の部屋とは明らかに違う木の扉があった。

焦げ跡のような黒い手形が周囲に残り、重厚な金属製の鍵が宙に浮いている。

すごく不気味。
阿部亮平
これ…誰も開けちゃいけなかったんじゃないか…?
深澤辰哉
ごめん、俺が「行ってみる?」なんて言ったから…
照たちともはぐれちゃったし…
阿部亮平
そんなに自分を責めないで?
俺も正直入った方がいいと思ってたからさ
目黒蓮
それもあるけど、中に“何か”がある…ずっと、呼ばれてる気がするんだ
自分でもなんか難しいけど、直感じゃなくて本能、でもないというか…。

さっきからそんな感じ。
深澤辰哉
2人ともありがと
木の扉を開いたその先には、円形の石の部屋。

中心には黒焦げた祭壇がぽつんとある。
目黒蓮
めっちゃ不気味…
阿部亮平
もしかしてここが…あの儀式が行われていた場所?
深澤辰哉
たぶんそう、
目黒蓮
捜索しよっか
深澤辰哉
そうだね
阿部亮平
まず現時点で分かってることは、ここに黒い焦げ跡があって、周りに13本のくぼみ…血みたいなのも所々付いてる…ってこと
深澤辰哉
つまり…その黒い焦げ跡は過去の儀式の痕跡、13本のくぼみは短剣が刺してあったのだと考えたら未完の封印、血を流した形跡は生贄がいた証拠ってことだね、
目黒蓮
なるほど…
そのとき、ふと目の前が暗くなって、気付いたら目の前にはどこか既視感のある場所が広がった。

でも、なにかがおかしい。

ふっかさんとあべちゃんの姿はない。

それに人気ひとけは全くと言っていいほどなく、近くの看板は文字が反対になっている。

そこにある時計も、秒針が動いていない。

まるで時間が止まっているよう。

それに…
目黒蓮
どうなってるの…?
建物、空、街灯……見渡すと、赤色だけが異様に鮮やかなのである。

目の前が血に染まっているみたいだ。

すると、数十メートル先に少女がいるのに気づく。

この状況についてなにか知ってるかもしれないと、その人に聞くことにした。

恐怖からか、不思議と体はあまり動かせない。
目黒蓮
ねぇ、待って…!!
呼び止めても振り返る気がしない。

なんとか追いかけていると、彼女が角を曲がる。

…その瞬間、周囲の景色が丸ごと変わった。
目黒蓮
っ……!
これは夢だ。

現実じゃない。




阿部亮平
めめ?
目黒蓮
あ、べちゃん…?
阿部亮平
なんかぼーってしてたけど、大丈夫?
あれは何だったんだろ…
目黒蓮
…大丈夫、考え事してただけ
別になんてことないだろうと思ってそう返した。
阿部亮平
だったら全然いいんだけど…何かあったら言ってね?
目黒蓮
うん、ありがと。
…そういえばふっかさんは?
よく見たらふっかさんだけいない。
阿部亮平
ふっかだったらあっちにいるよ
指が差された先には、早速捜索を始めているふっかさんの姿が。

ちょっと広めの部屋だから気づかなかった。
阿部亮平
俺らもいろいろ探そっか
目黒蓮
そうだね
そう言ったとき、ふっかさんが「あっ!」と声をあげた。
深澤辰哉
なぁ、ここ怪しい…!
阿部亮平
どういうこと?
気になってふっかさんのところに行くと、はしっこに置いてあった棚をじーっと見つめていた。
深澤辰哉
この棚さ、ちゃんと壁にくっついてないの違和感じゃない?
棚を横から見てみたら数センチ幅の隙間が。

前からじゃ全然気づかなかった。
目黒蓮
後ろになにか隠してるのか…?
阿部亮平
じゃあ棚、どけてみる?
深澤辰哉
うん、俺ら頑張ればいけそうだし
大きいけどふっかさんの言う通り、男3人ならなんとかいけそうだ。

その後3人で、ある程度棚を移動させた。

壁を見るとそこにあったのは巨大な絵画で、ひとりの男性が描かれている。

でもどうも見たことがある顔をしていた。

まっすぐな目、特徴的な唇、キリッとした表情。



















目黒蓮
舘さん……?
メンバーに似ている肖像画に戸惑う中、その空間だけ“音”が死んでいた。

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