目黒side
奥を見ると扉があり、異様に空気が重い空気が流れている。
廊下の先に、他の部屋とは明らかに違う木の扉があった。
焦げ跡のような黒い手形が周囲に残り、重厚な金属製の鍵が宙に浮いている。
すごく不気味。
自分でもなんか難しいけど、直感じゃなくて本能、でもないというか…。
さっきからそんな感じ。
木の扉を開いたその先には、円形の石の部屋。
中心には黒焦げた祭壇がぽつんとある。
そのとき、ふと目の前が暗くなって、気付いたら目の前にはどこか既視感のある場所が広がった。
でも、なにかがおかしい。
ふっかさんとあべちゃんの姿はない。
それに人気は全くと言っていいほどなく、近くの看板は文字が反対になっている。
そこにある時計も、秒針が動いていない。
まるで時間が止まっているよう。
それに…
建物、空、街灯……見渡すと、赤色だけが異様に鮮やかなのである。
目の前が血に染まっているみたいだ。
すると、数十メートル先に少女がいるのに気づく。
この状況についてなにか知ってるかもしれないと、その人に聞くことにした。
恐怖からか、不思議と体はあまり動かせない。
呼び止めても振り返る気がしない。
なんとか追いかけていると、彼女が角を曲がる。
…その瞬間、周囲の景色が丸ごと変わった。
これは夢だ。
現実じゃない。
あれは何だったんだろ…
別になんてことないだろうと思ってそう返した。
よく見たらふっかさんだけいない。
指が差された先には、早速捜索を始めているふっかさんの姿が。
ちょっと広めの部屋だから気づかなかった。
そう言ったとき、ふっかさんが「あっ!」と声をあげた。
気になってふっかさんのところに行くと、はしっこに置いてあった棚をじーっと見つめていた。
棚を横から見てみたら数センチ幅の隙間が。
前からじゃ全然気づかなかった。
大きいけどふっかさんの言う通り、男3人ならなんとかいけそうだ。
その後3人で、ある程度棚を移動させた。
壁を見るとそこにあったのは巨大な絵画で、ひとりの男性が描かれている。
でもどうも見たことがある顔をしていた。
まっすぐな目、特徴的な唇、キリッとした表情。
メンバーに似ている肖像画に戸惑う中、その空間だけ“音”が死んでいた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。