雑な嘘だ。
こんなので人を欺けるわけがない。
奇跡的にも、私は下の段の書籍を漁っていた。
私は手を後ろになんとなく隠した。
手には、本の紙で切ってしまった切り傷がある。
正直、見せたくはない。
そんなことを思考している隙に、
主様に手の状態を知られてしまった。
もう無理だ。
嘘。
嘘で塗り固めるしかない。
さっきまでは辛かったけど、何か血の気が引いて
そんな気分はどこか遠くに消えてしまった。
耳が痛い。
私は主様に握られた手を優しく振り解き、
そそくさと部屋を出た。
そんな会話を、私は20枚ほどある白い皿を、
カナダは10枚ほどあるシーツを慎重に運びながら
誰かに聞かれないようにこっそりしていた。
チェコさんの件、本棚のラインナップ…
なにより寝たふりをしていた時の主様、
ここから導き出される答え、それは主様は危険。
ただ、その情報一つ一つは断片的なものにすぎない。
こんな弱小国ごときが、探れることではないけど。
それは、なんとなく想像できるな。
しかし、カナダの視線が私と合わない。
カナダも、何か知ってるんじゃないの?
そう聞きたかったけど、
聞く勇気なんて、私には持ち合わせていなかった。

アンケート
新作の時代、どっちがいいですか?
旧国たちぐらいの世界!
66%
現代の国たちの世界!
34%
投票数: 175票














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。