第13話

第十二話
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2026/07/04 05:30 更新
あなた
みんな、準備はいい?行くよ
あなたの下の名前がゆっくりと楽屋のドアを開ける。中にいた里紗は、こちらを振り返ると、いつもと変わらないあざとかわいい笑顔を浮かべた
古澤里紗
あ、みんなお疲れー!
 
古澤里紗
って、何その顔? 8人全員でわたしを囲んじゃってさ。もしかして、わたしに何か文句でもあるの?




















第十二話 本当の気持ちをかくして
佐野愛花
里紗、私たちはもう???さんの操り人形にはならない。あなたの下の名前も、えみるも、きゅーすとのみんなをハブるなんて絶対に間違ってる
川本笑瑠
里紗。もう、嘘つきのフリをするのはやめて
桜庭遥花
りさちゃん。わたし、りさちゃんに脅されてあなたの下の名前ちゃんにいじめられたって嘘ついたけど、本当はこんなこと、やりたくなかった……っ!
梅田みゆ
わたし、きゅーすとができる前からずっと里紗ちゃんを尊敬してた。だから里紗ちゃんの言葉を盲信してあなたの下の名前に怒っちゃったけど……本当は里紗ちゃん、嘘を吹き込んでたんでしょ!?
真鍋凪咲
わたしたちのぱるを護りたいっていう純粋な正義感を利用して、あなたの下の名前を悪者に仕立て上げるなんて、本当に里紗らしくないよ
増田彩乃
ウチのあなたの下の名前への嫉妬心も、里紗は全部分かってて利用したよね。えみるを嘘つきだってグループみんなでハブらせるためにさ…
板倉可奈
わたしだって、里紗ちゃんにハブられるのが怖くて、ネガティブになって躊躇してた。でも、大好きなあなたの下の名前とのダンスの絆を壊すの、本当に辛かったんだよ……っ
真鍋凪咲
完璧なんかじゃない私たちが、なんでこんな楽屋のコソコソしたいじめでバラバラにならなきゃいけないの? 里紗、本当の気持ちを隠して主犯格を演じるの、もう終わりにしてよ
古澤里紗
ハァ。みんなして何その言い草。愛花もみんなも、ウチの味方をしてあの二人を追い出すって決めたのは一緒でしょ? 
古澤里紗
今さら正義の味方ぶるの、本当にダサいんだけど。ウチはきゅーすとの最年長として、グループに必要ない子を教えただけだよ
あなた
里紗ちゃん。もうこれ以上、悪者のフリをしなくていいよ。
あなた
???さんに逆らったら居場所がなくなるって、みんなに『協力しないとハブる』って嘘の命令を出さざるを得なかったんだよね? 里紗ちゃん、本当は一人で???さんに何を言われてるの……っ?
古澤里紗
うるさいな。あなたの下の名前に関係ないじゃん!!
あなた
関係あるよ! 私たちは同じグループの仲間でしょ!?
古澤里紗
仲間だから何!? みんなに追加メンバーのわたしたちの気持ちなんて分かるわけない! 
古澤里紗
わたしがこのグループを、みんなの居場所を護らなきゃいけなかったの! だから、わたしが鬼になれば、きゅーすとは解散させられずに済むって思ったんだよ……っ!













里紗side
えみるたちをいじめる数日前の事務所
???
里紗。きゅーすとを世界に通用する最高のグループにするために、追加メンバーのあなたの下の名前と、地味なえみるを排除してほしいの
古澤里紗
え……っ!? そんなのダメです! 二人ともきゅーすとの大切なメンバーなのに、ハブって自主退職に追い込むなんて、わたし、絶対にやりたくありません…っ!
???
あら、私の命令を拒否するの? ……いいのよ、里紗。でもね、もしあなたが協力しないなら、あなたがきゅーすとを結成する前、何年もインフルエンサーとして必死に努力して積み上げてきた過去の実績、事務所の力ですべて消し去るわ。
古澤里紗
そ、それだけは本当にやめてください……っ! わたしが何年も寝る間も惜しんで、ファンのみんなと築き上げてきた、わたしのこれまでの人生のすべてなんです!
???
じゃあ、きゅーすとを消せばいいかしら?
古澤里紗
え…?
???
過去の実績を消されるのが嫌なら、あなたが一番大好きな『きゅーすと』そのものを、私の権限で明日にも解散させてあげる。
???
世間には方向性の違いとでも言っておけばいいしね。せっかくみんなで夢を追いかけられるようになったのに、一瞬で消えるのよ?
古澤里紗
解散、ってそんなっ
???
きゅーすとの最年長でリーダーシップもあるあなたなら、メンバー全員をコントロールできるでしょ? あなたが悪者(主犯格)になって、みんなを脅してあの二人をハブりなさい。
???
自分の過去の居場所と、きゅーすとの未来を守りたいなら、ウチの言う通りにするのよ。……分かった?
古澤里紗
(わたしがきゅーすとをどれだけ愛してるか、どれだけ命をかけてこの場所にたどり着いたか、全部分かってて脅してるんだ。)
古澤里紗
(わたしが悪者になって、大好きなあなたの下の名前やえみるを傷つければ、きゅーすとは壊れずに済む……。みんなから嫌われても、ウチが全部泥を被ればいいんだ……っ!)
















古澤里紗
みんなをハブりたくてやってるわけないじゃん……っ!! わたしだって、みんなと一緒にずっとずっと歌っていたかったよ!! わたしが全部悪者になれば、きゅーすとは解散しなくて済むって……それしか方法が思い付かなかった……っ!!
溢れ出したのは、最年長として一人で全てを背負い、きゅーすとの解散という恐怖と孤独に戦い続けていた里紗ちゃんの本泣きの叫びだった。あなたの下の名前は引かずに、彼女の元へ走ってその身体を強く抱きしめた
あなた
里紗……っ! ありがとう、一人でそんな恐ろしいものと戦って、グループを守ろうとしてくれてたんだね。……でもね、もう一人で泥を被らなくていいんだよ
古澤里紗
あなたの下の名前……っ、なんで……わたし、あなたの下の名前に酷いこといっぱい言ったのに……っ
川本笑瑠
里紗、気づけなくて本当にごめんね。4月22日のえみの誕生日に、あなたの下の名前がくれた化粧道具入れがゴミ箱に捨てられてた時、えみ、世界が終わったみたいに悲しかった。
川本笑瑠
でもね、里紗が一人で泣いてる今の方が、何百倍も悲しいよ。えみたちの絆は、そんな理不尽な命令に負けない!
桜庭遥花
りさちゃん。ウチらもみんな、ハブる仲間に加わらへんと次のターゲットにするって脅されて、怖くて嘘ついちゃったけど……8人揃ったら、もう何も怖くないよ
古澤里紗
泣、みんな、なんでそんなに優しいのよ……っ! 私、本当に最低なことしたんだよ!? みんなを脅して、大好きなあなたの下の名前やえみるを傷つけて……っ。嫌われて当然なのに……っ!
あなた
嫌いになんてなれるわけないじゃん! 里紗がきゅーすとの最年長で、みんなを引っ張ってくれたから、私たちはここまで来られたんだよ
最年長という重圧から解放されたように、子供のように声を上げて泣きじゃくる里紗ちゃんを、あなたの下の名前は強く抱きしめた。えみるも、あいかちゃんも、他のメンバー全員が涙を流しながら彼女を優しく包み込んでいく
佐野愛花
ウチらに逆らうってことは縁切るから、って言ったのはウチだけど、今度はウチらがミサさんとの縁を叩き切ってやる番だね!
川本笑瑠
みんな、行こう。えみたちの、完璧なんかじゃない、本当のステージを取り戻すために
あなた
みんな、行こう。私たちの、完璧なんかじゃない、本当のステージを取り戻すために

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