おぎゃあおぎゃあおぎゃあ…!!
その子供は周りから愛され、恵まれながら瞬く間にすくすくと成長した。
それから3年後。
おきゃあ…!おぎゃあ…!!
また城の中で産声が鳴り響いた。
女の子だった。
この子はどんな子に育つのだろうと希望を膨らませている中、聞こえてきたのは産まれを祝う言葉でも、安堵のため息でもなかった。
きゃあッ…!!
聞こえてきたのは、小さな悲鳴だった。
「ひいっ…!」
「近づいたら呪われる」
「よくのうのうと生きてられるわね」
「早く殺せ!」
「目が合ったら殺される」
「あんな子を育てるなんてどうかしてる」
「子供より国民を優先して欲しいわ」
「あんな子供がいると思うと仕事に集中できない」
「いつかうちにも不幸が訪れるのかしら…」
「早く殺せ」
「そんな子供うちにはいらない」
「愛情なんか必要ない」
「早く消えろ」
妃はその手を無視し、王様と馬車へと向かった。
それからずっと、満月の光る道の端で、赤ん坊の鳴き声が鳴り響いた。
誰も、見なくなった。誰にも、愛されなくなった。
数年後─…
俺はないこ。138cm、31kg。まだまだ成長する!!
好きな物は遊ぶことと食べること。嫌いなものは他の国の人と話すことと書類整理。
そんな俺は今、メイドと鬼ごっこをしている。
アニキじゃあるまいし、そう追いつかれることはないだろう。
それに、人間は1度いた場所には戻ってこない。
すなわち、最初にいた俺の部屋は必ず見に来ない!!
だから今俺は、自分の部屋に隠れている。
我ながら完璧な作戦…!!(ドヤッ
ガチャ
必殺、無視!!
……「わがまま言うな」って怒られるかな
八年後
ガチャッ!
親もメイドも執事も、みんな過保護すぎて俺は外に出たことがない。
外に出れても、それはただの親の仕事の付き合いだ。
俺ももう18歳だ。もう結婚もできる立派な大人だ。
それなのに、みんなはまだ俺を心配する。
外も衛兵だらけで、簡単に外に出られない。
そうだ、アニキに頼もう。
誰にもバレずに衛兵達の訓練場に来た。
相変わらず暑苦しいなここ。
呪文のように彼の呼び名をブツブツと唱える。
トントン(桃の肩を叩く)
アニキも無理だったか…
この前はこれで成功したのに。
すぐにほとけっちにバレてめっちゃ怒られたけど。
毎日暇。メイドと遊びたくても、「身分が〜」って言い訳して遊んでくれないし。
1度だけでいいから、外で自由に走り回ってみたい。
誰の目も気にせず、買い物とかしてみたい。
もっと、色んな場所に、自分の足で行って、たくさんの美味しいものを食べてみたい。
父様と母様は自由に外出れてたくさん出かけてるのに、俺だけ城の中一人で留守番は酷すぎる。























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!