結婚報告から数日。
まだ少しだけ慣れない響き。
長尾謙杜が照れながらそう言うと、
埜愛は笑いながら振り向いた。
ーーー
新婚生活は、
思っていたよりずっと普通で、でも特別だった。
朝ごはんを作る音。
同じソファでくつろぐ時間。
何気ない会話。
全部が“ふたりの生活”になっていく。
ーーー
キッチンから振り返る埜愛に、
謙杜は少し甘えた声を出す。
そう言いながらも、
近づいてくる埜愛。
すると謙杜は、
自然に腕を引いて抱き寄せた。
埜愛が笑うと、
謙杜も嬉しそうに笑う。
ーーー
ソファでくつろぐ午後。
テレビを見ながら、
埜愛がぽつりと言う。
謙杜は埜愛の手を握る。
その言葉に、
埜愛は少し照れながら微笑んだ。
ーーー
夜。
2人で並んで歯を磨きながら、
鏡越しに目が合う。
謙杜の言葉に、
埜愛は一瞬固まる。
そして小さく笑った。
そのまま、
そっと謙杜の袖をつまむ。
ーーー
寝室。
電気を消すと、
静かな暗闇が広がる。
少しの沈黙のあと、
埜愛はくすっと笑う。
その声に、
謙杜は満足そうに笑った。
ーーー
ふたりの新婚生活は、
特別なことなんてなくていい。
ただ隣にいて、
同じ時間を過ごすだけでいい。
その全部が、
ちゃんと“幸せ”だった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。