第37話

挑戦
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2024/01/21 21:38 更新
ハルト「な、んで…」



最後の放出者として扉を開け、廊下に出るとこれでもかと言うくらい目を開き驚いたハルトが俺を迎える。
その横では先に出たズハオが若干ニヤつきながら俺を見てくる。
そしてまたその横では少し期待した表情のカムデン。


悪いがカムデンのとこにはいかないんだよなぁ


「俺はこっち」


そう言ってズハオの横に行くとカムデンは分かりやすく肩を落とす。


ハルト「なんできちゃったんですかっ!…ヒョンは…ヒョンには…だから、俺、来てって言わなかったのに…」


落ち込んでいるカムデンをみているとハルトが俺の肩を掴み涙を目に浮かべながら言葉にならない言葉を話す。


ハルトはきっと俺の迷惑にならないように、この練習してきた1週間を無駄にしない様に俺に声をかけなかったんだろう。
自分だってしんどくて、このままじゃデビューどころか次の舞台すら危ういのに、それでも俺の事を思ってくれたんだろう。


そんなハルトの思いが涙からひしひしと伝わる。



「ハルト。俺はさ、自分のためにsuperchargerを選んだんだよ。俺がチャレンジしたかったんだ。それに…あのままovermeをしてても、俺はこの曲を選ばなかった自分を後悔したと思うし、お前を選ばなかった俺が嫌いになったと思う。だから、ハルトは何も気にしないでいいんだよ。…俺と、最高の舞台を作ろう?」


俺の肩を掴んでいた手を握り、片方の手でハルトの涙を拭うと涙は止まることなく次から次へと流れていく。


そんなハルトが可愛くて笑うと「なんで笑うんですか〜」と泣きながら怒ってくる。そういう所も可愛いんだ。


「俺と、ハルトと、ズハオ。3人揃えば何も怖くないよ」


笑顔でそう伝えるとハルトも一生懸命頷く。
それに続くようにズハオもハルトの肩に手を置き頷いた。
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「じゃあまず曲を聞こうか」


あの後、say my nameからウンギ、タクト、そしてソウォンヒョンが移動してきた。
俺がsuperchargerの分、オリーはそのままsay my nameだ。


前回も移動してきた3人だが、今回は移動した理由が違った。
なんとウンギとソウォンヒョンは自分からsupercharger をえらんで来てくれたのだ。


ウンギ「ギリギリで残れた僕が、なんの挑戦もなく次も残れるなんて思ってません。ここで新しいウンギボーイの姿を見せてやります!」


ソウォン「俺も、残れるにはギリギリの順位だから。say my nameは喉から手が出るほど自分の曲にしたい物だけど…それでも、今回は成長した姿を見せたい」


そう言って移動してきてくれた2人はとてもかっこよくて、難しい曲だけどそれ以上にこのチームでこの曲ができることが嬉しくなった。


タクト「難しい曲ですね…」


ウンギ「大丈夫だよタクト!練習したら絶対いいものになるから!」


ソウォン「うんうん!がんばろー!」


2人からの声掛けに難しい顔をしていたタクトの表情も和らぐ。


ハルト「じゃあ、まずリーダーから決めたいんですけど…したい人はいますか?」


ハルトは全員に問いかけるように言うが、視線が完全に俺に向いている。
しかもそれはハルトだけじゃなくてほかの全員もだ。


そんな全員の視線に笑ってしまいそのまま手を上げる


「俺じゃあ力不足かもだけど…それでもリーダーがしたいです」


ハルト「力不足なんかじゃないよ!ヒョンしかいないです!」


ズハオ「シーは2回もエムカに行ってるしね」


ウンギ「今回もエムカに連れてってください!」


ぱちぱちと拍手をしながらそういうみんなにちょっと嬉しくなる。


「絶対エムカに行こう!」


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「じゃあ次はパート決めだね。キリングパートをしたい人はいる?」


そう聞いてみてもなかなか手は上がらない。
さすがに移動して直ぐに重要なパートを志望するのは厳しいか…

なら、聞き方を変えていく方がいいだろう。


「ハルトはどう?この曲をずっと引っ張ってたのもハルトだし、いちばん理解があると思うんだ」


ハルト「おれ?!ズハオヒョンやシーヒョンじゃなくて?!」


ウンギ「僕もハルトがいいと思うなぁ。ずっとキリングパートの練習もしてたし、適任だと思う」


ズハオ「うんうん。俺もそう思う」


みんながそれぞれハルトを推すと恥ずかしそうにしながらも嬉しそうにハルトは「じゃあ…」といってキリングパートに決まる。


キリングパートを決めてからはどの振り分けがいちばん上手くハマるかでパート分けをし、前回同様ソウォンヒョンがメインボーカル。ウンギがメインラッパーとなった。


ソウォン「シーがメインボーカルじゃなくていいの?ラップパートだし、パートも少ないよね?」


そう。今回俺がするパートは元はオリーのラップパートだった部分だ。
確かにメインボーカルはしたい。でも今回はあと1週間。しかも俺とズハオはエムカに向かうから3日ほどしかないんだ。それならソウォンヒョンに担当してもらうのが1番だろう。


「はい!ウォニヒョンの声この曲に合うし、ヒョンがメインボーカルがいいと思います!それに…実はダンスの振りを1部変えたいんです。だからそこにちょっと集中させて貰えたらなぁって…」


ウンギ「振りをかえる?」


「うん。今の振りでもいいけど、何ヶ所か俺達には合わない部分があると思う。そこの部分は変更して俺達のものにしたいんだ」



ズハオ「…いいと思う。やれることは全部やってみよう」


「なら早速歌を何回か合わせてから振りに入ろう!」
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タクト「ごめんなさい…もう1回お願いします」


ダンスの練習に移り、ハルトのリードで覚えていくが元が難しいダンス。それをあと数時間でマスターの先生たちに見せないといけないということに焦りも生まれなかなかタクトが覚えられない。


ハルト「よし、ならもう1回いくよ」


練習祭期間の短さもあり、タクトが覚えるのが苦手なことはここにいるみんな理解しているし、それにイラつくようなメンバーでもない。
でも、現実を見るとこのままでは上手くいかないのも確かだ。


ここは…チームを分けるしかない。


「一旦ストップしよう。…このまま振りを続けてもマスターの先生に見せるところまでいかないかもしれない。だから1回チームを分けたいと思う。」


ズハオ「チームを分ける?」


「うん。いまから俺とタクトはマンツーマンで練習しよう。その方が覚えやすいだろうし、細かい所まで教えることができるから。ほかのみんなはそのままハルトが引っ張って欲しい」


俺がそういうとみんなはその方がいいねと頷いてくれる。
ただ、タクトだけが申し訳なさそうに俯きがちに頷く。


タクト「すみませ「謝らないで。タクトは練習生期間が短いから、みんなより覚えるのが遅れるのは当たり前なんだよ。みんなそんな時期があって、支えてもらってたんだ。だから今タクトは、自分に出来る最大限をやればいいんだよ。焦る必要も、申し訳なく思う必要もないよ」…シーヒョン」


涙をうかべるタクトの頭を撫でるとウォニヒョンやハルト達もタクトを抱きしめに近寄ってくる。


ウンギ「大丈夫だよタクト。いっぱい頑張ってくれてありがとう」


ソウォン「こんなに遅くまで無理させてごめんね。頑張ろうね!」


タクト「ありがとう、ございますっ!がんばります!」


ガッツポーズをつくりそう言うタクト。
ずっと辛そうな顔だったから心配だったのだが、何とかなりそうだ。


マスターの先生に見せるまであと3時間。
このメンバーなら大丈夫。
必ずsuperchargerをものにできるはずだ。


「よし!あと3時間頑張るよ!ファイトー!」


「「「「「おー!!!!」」」」」

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