らっだぁと共に部屋に帰ってきた
部屋を開けるのに使った鍵を差し出す
らっだぁが手を伸ばすと
鍵を持つ彼女の手ごと掴む
掴まれている手を見ていた視線を上にあげる
真っすぐ見てくる瞳に自分の姿が映った
荷物を持って奥に行くらっだぁ
その背中を見つめ、胸の前でこぶしを握る
部屋から取り出したであろう酒瓶をこっちに向け
らっだぁ本人は背中を向けていた
小走りに部屋を後にする
酒瓶を横に置くと、自分の顔を手で隠した
そして隣の部屋の扉が閉まる音は
しっかりとらっだぁに聞こえていた
閉めた扉に背中を預け、ズルズルと座り込んだ
彼女もまた、自分の顔を手で隠した
分かってる
自分も気になってたから
でも、どうしても元彼の事があったから怖い
心のどこかにある恐怖
それがあるから踏み出せない
名前を言葉にすれば
自身の耳まで熱くなり、耳を抑える
隣同士の住人
お互い暫しの間、部屋の中で悶えていた











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。