第12話

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2024/04/27 11:22 更新

【紫耀サイド】


一通り泣いて、涙も少し落ち着いたところで

ひとつ呼吸をした。

そして楽屋の扉をゆっくりと開けた。


紫耀
....廉、ありがとな。
海人を支えてくれて。
...いや、俺にとってもあいつは大切だから気にせんといて、
それにな...、
紫耀
ん?
あいつ、全然泣かへんねん...。

廉からそう聞かされた。

本当は悲しくて辛いはずなのに。

いつも笑ってた。

紫耀...、あとは頼んだで。


そう言われた。

今の俺に海人を支えることができるのだろうか。

なにも気づかなかった俺に。

不安はあったけれど、とにかく俺は

海人に想いを伝えたい、そう思った。


開けた楽屋で海人はジンに抱きしめられていた。

岸くんはひとり目元を押さえていた。

紫耀
.....海人、家に帰ろ。

そう言葉を投げ掛ければ、海人はジンの胸から

ゆっくりと顔を上げた。

その顔はやっぱり泣いてなくて。

海人
....うん、

少し困ったように笑っていた。




家につき、腰を降ろす。

海人
珈琲、飲む?
紫耀
そんなのっ、俺が....
海人
いやいや、このくらいできるから笑

そういって笑い、珈琲を準備する海人。

よく見れば腰あたりが細くなったような気が

するし、頬もこけた気がする。

肌も以前のような艶は減ったようにみえる。

飯をあまり食べてないような気はしてたけれど

こんなにも見た目に出ていたなんて。

俺は自分のことで精一杯で海人のこと

みてなかったんだって痛感した。

海人
はい、
紫耀
さんきゅ、
紫耀
....海人、
海人
ん?
紫耀
だいぶ、痩せた、よな

自分の体をみる海人。
海人
あー...そうかも、ね?
紫耀
っごめん、俺、なにも気づかずに...!

海人のほうを向いて頭を下げた。
海人
....謝らないで?
本当は言うつもり、なかったし。
紫耀
っ俺らやっぱり...!
海人
駄目だよ

海人の言葉は強く俺がこれから言おうとする

言葉を否定した。

海人
常にチャレンジする、
上を向いて進んでいく、
それが俺が好きになった紫耀だよ?
海人
だから、
海人
俺のことを想うなら、
海人
行って、アメリカ。

ギュ、と抱きしめられて俺の胸の中で

そう自分の決意表明かのように伝える海人。

もう海人の中ではたくさんのことを考えて

悩んで悩んで出した結果なのだろう。


俺ができること。

それは海人の決意を無駄にしないことなのかも

しれない。



紫耀
.....分かった
紫耀
予定通り行くよ。アメリカ。
やりたいこと、チャレンジする。
紫耀
5人でいけないのは悔しいけど
俺は絶対成功させてみせるから。
海人
うん、
紫耀
....だからさ、俺はやるから。
もうこの意思は変わらないから。
本当の海人の気持ち、聞かせてほしい。

俺は海人の両肩を両手でつかみ

海人を見つめた。

伏せていたその潤んだ瞳が俺を捉えた。

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