第23話

⛸️
349
2026/02/28 23:26 更新












































































全日本選手権、当日

会場の廊下は、張り詰めた空気と熱気に包まれていた

あなたは出番を控え、

集中を高めるためにバックヤードを歩いていた






































(なまえ)
あなた
(……よし、体のキレは最高。あとはいつも通りやるだけ……)






































角を曲がった、その時だった

薄暗い通路の隅で、壁にもたれかかる影

独特の威圧感、そして微かに漂うタバコの匂い






































(なまえ)
あなた
……っ、純
(なまえ)
あなた
何、見に来たの?偵察?






































あなたは足を止めず、

ぷいっとそっぽを向いて通り過ぎようとした

3年間無視し続け、先日のリンクでも

冷たくあしらった相手だ。今さら話すことなんて──












































































ガシッ






































(なまえ)
あなた
……えっ!?






































通り過ぎざま、強引に腕を掴まれ、

そのまま背後から引き寄せられた

視界が回転し、気づいた時には、

純の硬い胸元に背中がぴったりと押し当てられていた












































































(なまえ)
あなた
ちょっと……!何これ、バックハグ!?離しなさいよ!!
夜鷹純
……静かにしろ、あなた






































耳元で、低く、震えるような声が響く

純はあなたの肩に深く顔を埋めるようにして、

呪文のように囁いた






































夜鷹純
……君が誰の教え子になろうと、君を創ったのは僕だ……その事実を、世界に叩きつけてこい












































































劇的な台詞

映画のようなシチュエーション

普通の女の子なら腰が抜けるようなシーンだが、

あなたは一瞬の沈黙の後、真顔で言い放った






































(なまえ)
あなた
……いや、ちょっと待って?
(なまえ)
あなた
創ったの、100%蓮見コーチだから
(なまえ)
あなた
私、あっちの教え子だから
夜鷹純
………………
(なまえ)
あなた
感動の再会風に酔ってるところ悪いけど
(なまえ)
あなた
私、物心ついた時から蓮見コーチに鼻水拭いてもらってたのよ
(なまえ)
あなた
記憶の書き換えやめてくれる?































































































夜鷹純は、バツが悪そうにスッと腕を解いた

だが、その表情はすぐに元の冷徹なものへと戻る












































































その時、純のポケットの中でスマホが激しく振動した

画面には「光」の文字

純はそれを見るなり、深く、忌々しそうに舌打ちをした






































夜鷹純
……チッ、五月蝿いな






































(なまえ)
あなた
(え、出るんじゃないの……?)






































次の瞬間、あなたは目を疑った

純は手に持っていたスマホを、

ためらいもなく壁に向かって全力で投げつけたのだ






































──ガシャアァァァン!!






































(なまえ)
あなた
…………はぁ!?!?






































粉々に砕け散ったスマホ

純はさらに、その破片を足でゴミ箱に押し込むと、

仕上げとばかりにゴミ箱を思い切り蹴り飛ばした






































虚しい音が響き渡る


















































































































夜鷹純
……リズムを乱す雑音は不要だ






































純はスマホを失ったことなど微塵も気にする様子なく、

悠然と去っていった






































(なまえ)
あなた
…………
(なまえ)
あなた
……うわぁ……
(なまえ)
あなた
嫌なところ見ちゃった
(なまえ)
あなた
やっぱりあいつ、ヤバいわ……
(なまえ)
あなた
だからタイプじゃないのよ……












































































最悪の再会に頭を抱えていると、

遠くから焦ったような声が聞こえてきた






































蓮見コーチ
あなたちゃーん!!
蓮見コーチ
どこ行ってたの!?
蓮見コーチ
遅すぎだよぉ!!
蓮見コーチ
もうすぐ直前練習始まるよ!?
(なまえ)
あなた
……あ!コーチ!ごめん、今行く!!












































































あなたは、背後の惨状をコーチに見られないよう

隠しながら、大急ぎでリンクへと走り出した
(なまえ)
あなた
(……もう!あの狂人のせいで調子狂うじゃない!コーチ、あとでスマホの破片片付けてあげてね……!)

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