第114話

愛の奇跡
209
2024/07/29 09:00 更新
私が熱を出し、回復したのは、ありさ先生が言った通り3日後の事だった。雅ちゃんがニヤニヤしてたから間違えないと思う。まぁ、雅ちゃんだけじゃなく、殆どの人がそうだったけれど。そんな私を一条さんが『外に出よう』と誘ってくれた。それで向かったのは川沿いにある小さな公園だった。
一条康明
急にゴメンな
そう告げる一条さんの瞳は優しい。
藤崎涼夏
藤崎涼夏
構わないですよ
雅ちゃん達、ニヤニヤしてましたし
一条康明
(俺が看病したから…だろうな…)
藤崎涼夏
藤崎涼夏
一条さん、優しいから、きっと…
一条康明
言っておくが、涼夏ちゃんだからだよ
藤崎涼夏
藤崎涼夏
えっ?!
一条康明
そりゃぁ、“惚れた女”が“体調崩した”ら“看病”するモンだろ?
サラリと告げる一条さんに顔に熱が集まるのが解る。
一条康明
初めは“妹”みたいだって思ってた。でも、涼夏ちゃんは真っ直ぐで“芯が強い”。その癖、何処か儚気で…。何時の間にか“好き”になってた
一条さんが告げる言葉は優しいのに、その時の瞳は不安から少し揺れてる様に見えた。初めて見る彼の表情に私は一瞬言葉を失う。けれど、真っ直ぐな彼の想いに応えないといけない。
藤崎涼夏
藤崎涼夏
私も一条さんが好きです
緊張しながらも告げた一言に一条さんは驚いた顔をした後、少しだけ、ほんの少しだけ顔を赤らめ、嬉しそうに笑う。
一条康明
凄く嬉しい
そう告げて抱き締められた。力強い腕の中で私は目を閉じた。
蘭に傷付けられ、感情を上手く表せなくなった中でも、焦らずに私を見守ってくれていたのは、一条さんだった。ソレに気付いたのは蘭が私の前に現れた時。あの時の彼が普段の優しい一条さんとは、かけ離れて見えたけど、同時に彼の想いの強さも見えた気がしたから。
一条康明
ずっと側にいるとは、言えない。けれど、不幸にはしないと約束する
藤崎涼夏
藤崎涼夏
プッ
ソレだとプロポーズみたいですよ、康明さん
本当は、ずっと呼びたかった、彼の下の名前。不意打ちを狙ったワケじゃないんだけど、一瞬、ほんの一瞬だけ驚いた顔をした彼の顔がどんどん紅くなるのが解る。意外と不意打ちに弱かったんですね、ならもっと速く呼んでみれば良かった。
一条康明
涼夏ちゃん、変な所で“雅”に“似る”の“辞めて”…
藤崎涼夏
藤崎涼夏
そんなに“似て”ました?
そう告げて笑っていればさっきより強い力で抱き締められた。多分、半分は照れ隠しだと思う。彼の腕の中で願うのはコレが『最後の恋』になる事。
諦めてた“愛”。“愛され”、“愛す”小さな物語、“忘れられた愛の奇跡”コレにて閉幕。
最後、無理矢理な気がする…けれど一応終了です。沢山の方に呼んで頂いて本当に感謝しております。2部とかは今のところ予定はしておりません。この話の続きは貴方達が紡いで下さると幸いです。

プリ小説オーディオドラマ