私が熱を出し、回復したのは、ありさ先生が言った通り3日後の事だった。雅ちゃんがニヤニヤしてたから間違えないと思う。まぁ、雅ちゃんだけじゃなく、殆どの人がそうだったけれど。そんな私を一条さんが『外に出よう』と誘ってくれた。それで向かったのは川沿いにある小さな公園だった。
そう告げる一条さんの瞳は優しい。
サラリと告げる一条さんに顔に熱が集まるのが解る。
一条さんが告げる言葉は優しいのに、その時の瞳は不安から少し揺れてる様に見えた。初めて見る彼の表情に私は一瞬言葉を失う。けれど、真っ直ぐな彼の想いに応えないといけない。
緊張しながらも告げた一言に一条さんは驚いた顔をした後、少しだけ、ほんの少しだけ顔を赤らめ、嬉しそうに笑う。
そう告げて抱き締められた。力強い腕の中で私は目を閉じた。
蘭に傷付けられ、感情を上手く表せなくなった中でも、焦らずに私を見守ってくれていたのは、一条さんだった。ソレに気付いたのは蘭が私の前に現れた時。あの時の彼が普段の優しい一条さんとは、かけ離れて見えたけど、同時に彼の想いの強さも見えた気がしたから。
本当は、ずっと呼びたかった、彼の下の名前。不意打ちを狙ったワケじゃないんだけど、一瞬、ほんの一瞬だけ驚いた顔をした彼の顔がどんどん紅くなるのが解る。意外と不意打ちに弱かったんですね、ならもっと速く呼んでみれば良かった。
そう告げて笑っていればさっきより強い力で抱き締められた。多分、半分は照れ隠しだと思う。彼の腕の中で願うのはコレが『最後の恋』になる事。
諦めてた“愛”。“愛され”、“愛す”小さな物語、“忘れられた愛の奇跡”コレにて閉幕。
最後、無理矢理な気がする…けれど一応終了です。沢山の方に呼んで頂いて本当に感謝しております。2部とかは今のところ予定はしておりません。この話の続きは貴方達が紡いで下さると幸いです。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。