第12話

【0】これが所謂主人公パーティー
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2025/12/23 15:39 更新
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
_________二人も起きたらここにいたの!?
咎乃とがの 緋朔ひさく
うん
お前らも?
日登ひのぼり 叶哀とあ
そうなんだよ。…目覚めたら教室…というかロッカーの中で…
海原かいばら 湊斗みなと
…お前らもか














































 
困惑するように、でも少しだけ安堵するように揺れる魔女帽子と、
冷静さと同じくらいの警戒心を抱えたような白い髪。

見慣れた一挙手一投足になんだか安心する。

 二人は夕立渚朝と日登叶哀。

俺達二人と同じく幻創学園の生徒であり、そして所謂俺達の友達である。

…そのいわゆる”友達”が俺達二人にとっては凄く少ないというか、いや勿論孤立してるとかではないんだがこう、同年代のめっちゃ仲いいダチって言うとこの二人位だから(年齢的には一個違いではあるけども先輩後輩だとかそういう感じは1ミリもない)。後俺ら二人もお互いにともだち…では、まあ、あるのかも、しれないけど。改めて考えると。
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
…しかもボクの方には手錠もかかってたし…叶哀が解いてくれたから良かったけどさ
咎乃とがの 緋朔ひさく
そこまで一緒なのか…
成程。…ただ俺達だけに降りかかった突然の試練、と言う訳ではないらしい。
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
_______いやあ叶哀って馬鹿だけどこういう知識だけは無駄にあるよね
役に立てて良かったねボクの!!
日登ひのぼり 叶哀とあ
お前側がそんな上から目線で良い訳無いだろ
明るい(そしてクソ煽りする)渚朝とどちらかと言うと大人しめな印象を受ける(そしていつものようにツッコむ)叶哀。日常茶飯事だ。

正反対…少なくとも似た物同士とかにはとても見えない二人だけども、実際凄く仲は良いし基本いつでも二人で一つって感じで同じ場所にいる。後しょっちゅう煽り合ってるけど普通に仲が良い事も(無駄に)お互いプライドが高いだけな事も知っている。しょっちゅうつるんでいたから当然わかるし知ってる。
咎乃とがの 緋朔ひさく
俺達も手錠掛けられてたよ。
俺達ってか海原にだけど
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
え!?二人も!?
日登ひのぼり 叶哀とあ
大丈夫だっt…いや、その様子なら大丈夫か
咎乃とがの 緋朔ひさく
ちぎった
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
やば…
海原かいばら 湊斗みなと
意外と力あるよなお前
金属が立てた鈍い音を今でも覚えている。叶哀は普通に取ったんだろうか。そう考えると無理やり外した俺ちょっとバカみたいじゃない??

 とまあそんな事はどうでも良いとして
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
____…それで、ここって幻創学園だよね?
なんでボクら以外誰もいないんだろう…
咎乃とがの 緋朔ひさく
…もしかして二人も最初この学園ここの事忘れてたりした?
渚朝&叶哀
した
海原かいばら 湊斗みなと
やっぱりか…
 現状記憶があいまいになってる感が否めないのだが、そんな二人の事は忘れる事なくずっと覚えていた。声が聞こえた瞬間に反応もしたしね。

で、そんな二人も俺らと一緒に巻き込まれたみたいだった。…果たしてこの二人だけか、と聞かれると、…それはなんか勘的には違う気もするけど…
咎乃とがの 緋朔ひさく
な~~んかまた何かに巻き込まれた感じすんなぁ…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
ねえ!とりあえず4人で探索してみない?
人は多い方が良いだろうしさ!
日登ひのぼり 叶哀とあ
俺も賛成。…まだ何がどうなってるのかよく見えないし
咎乃とがの 緋朔ひさく
二人さえ良ければ勿論
海原かいばら 湊斗みなと
そうだな。____んじゃあ、行くか
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
うん!レッツゴー!!
日登ひのぼり 叶哀とあ
よろしくな
【 夕立渚朝の絆のカケラ 】、【 日登叶哀の絆のカケラ 】_____…も一緒だな。
わざわざ言われるまでもなくとっくに今の時点で5つ、規定量の最高まで埋まっている。伊達に友達ダチをやってない。
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
______それでなんだっけ、こっち?
日登ひのぼり 叶哀とあ
待てそっちもう行った
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
あれそうだっけ
日登ひのぼり 叶哀とあ
お前いつも言ってるけどいくら何でも方向音痴すぎるだろ
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
いや叶哀の馬鹿さには負けるから
日登ひのぼり 叶哀とあ
だから馬鹿じゃねえっつってんだろ
海原かいばら 湊斗みなと
4人になると一気に賑やかだな…
咎乃とがの 緋朔ひさく
ま、逆に落ち着くし良いっしょ。
じゃあとりあえずあっちの階_____

____そんなこんなで、

いつもの4人による幻創学園探索大計画が結成されたのだった。

 …見知った顔がいるってだけで安心感が更に凄い。

し、





 それとはまた違う、何か別の、もっと遠い場所にある____

___そして、もっと巨大な「なにか」が、脳の奥でどうにも引っかかる気がするのも、
…密かに、けれど、確かに事実だった。






























































































咎乃とがの 緋朔ひさく
_________ところで何これは
海原かいばら 湊斗みなと
何だそれ……あ、俺も持ってる
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
え、何それ?________うわっボクのもある!
日登ひのぼり 叶哀とあ
え、もしかして_________…うわ…
計ったように各々のポケットから出てきた見覚えのないそれを見比べる。

閉じ込められた時に入れられてたんだろうか、黒い、スマホと同じくらいの大きさの…電子の板。もっとも、大きさや形が同じってだけでスマホとは何だか違う気がするが。

_____画面を叩いてみると、ピ、と「 幻創学園電子生徒手帳 」という文字が浮かび上がる。…横向き運用なんだろうか。やっぱりスマホとは似て非なる…ってのはどうでもよくて。
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
電子生徒手帳…?
咎乃とがの 緋朔ひさく
こんなんあったっけ?無いよな
海原かいばら 湊斗みなと
…何か色々機能付いてるっぽいな…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
あ、マップあるよマップ!!
まばらに押す音と共にそれが映し出される。マッピングされた見取り図の様なマップと、現在地と_____ここは、表示されてる通り3階廊下。うん、俺らの居場所と一致してる。映し出される地図も記憶にぼんやりとある通りだ。
日登ひのぼり 叶哀とあ
…この光ってるのは何だ
マップの各地には何やらポインターみたいに光が点在していた。この階だけじゃなくて、一階、二階、中庭だとか、兎に角色んな所に。
咎乃とがの 緋朔ひさく
__________いるんじゃない?
ここに人が
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
あ、ボクら以外のってこと!?
咎乃とがの 緋朔ひさく
そう
海原かいばら 湊斗みなと
じゃあとりあえずここ目指して行ってみるか
日登ひのぼり 叶哀とあ
そうだな。…本当にここが俺らの想像通りの幻創学園場所なのか、確かめるがてら
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
えっと、じゃあ…階段がこっち?
日登ひのぼり 叶哀とあ
違うそっちじゃねえ逆
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
もう!!固定機能つけてよゲームの地図みたいに!!
日登ひのぼり 叶哀とあ
お前はお前でもうちょっと方向音痴を改善しろってさっきもしたよなこんな会話
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
ていうか叶哀電子生徒手帳コレ入ってるの気づかなかったの?鈍いね〜!
日登ひのぼり 叶哀とあ
話逸らすな後びっくりするくらいこっちのセリフなんだが??
咎乃とがの 緋朔ひさく
二人はほんとに相変わらずだねえ
海原かいばら 湊斗みなと
割と俺らもだろ
咎乃とがの 緋朔ひさく
えー?それはそう
前できゃいきゃいしてる二人を見ながら二人後ろで並んで進むのでした。


























































































……ん~…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
______あ!!人!!
咎乃とがの 緋朔ひさく
おぉほんとにいた
廊下を曲がって少し進むとそこには一つの同い年位の男子がいた。
水色の髪を控えめにゆらゆらと揺らしながら何かを考え込んでいるそいつは、俺達を見るとぱ、と顔を上げて













































 
夜咲やざき 叶音かなと
ん?___あ、もしかして君達もここに来たの?
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
うん、大体そんな感じ!
日登ひのぼり 叶哀とあ
まあ、来たっていうか…
目覚めたらここにいたって感じなんだけどな
夜咲やざき 叶音かなと
え、本当に?実は僕もなんだよね、
なんか起きたら教室のロッカーに閉じ込められててさ…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
あ、ボクらもだよ!
本当にこの不可思議なスポーン場所・方法は全員共通なんだろうか。…何でそんな手段を?
夜咲やざき 叶音かなと
皆もそうなんだ…
ほんと怖いよね~、最近色々と物騒だし…
海原かいばら 湊斗みなと
物騒…とかいう次元か?
咎乃とがの 緋朔ひさく
(…”最近”ねえ…)
どうでも良いような方の一つの言葉に何故だか脳裏が反応した気がした。
何故?…ってのは、今すぐじゃなくてもいいか。
夜咲やざき 叶音かなと
____あ、ごめん
そういえば自己紹介がまだだったね!
 
夜咲やざき 叶音かなと
 ____初めまして、夜咲やざき叶音かなとです! 
 ”超高校級”だよ、よろしくね! 
 
日登ひのぼり 叶哀とあ
やっぱりお前もか…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
ねえねえ、才能は?
夜咲やざき 叶音かなと
ん~?内緒!
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
えー!?
夜咲やざき 叶音かなと
あはは、何だと思う~?





















































才能内緒とか良いんだ、って一瞬思ったけど、…そりゃ良いか。言わなきゃいけない理由も無いもんな。

なんてぼんやりと思ったのは、

 ” 近くで見て来た筈なのに・・・・・・・・・・・ ” ぼんやりそう思ったのは、

____もう慣れたから・・・・・、なのかな
夜咲やざき 叶音かなと
___ていうか、さっき「お前らも」って言ったって事は
君らも超高校級なんだよね?
咎乃とがの 緋朔ひさく
うん
俺超高校級の銃使い、咎乃緋朔
海原かいばら 湊斗みなと
超高校級の剣士の海原湊斗、よろしく
日登ひのぼり 叶哀とあ
あ~…
…超高校級の太陽、の日登叶哀だ
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
そしてボクが超高校級の魔法使いの夕立渚朝だよ!
こっちの馬鹿ともどもよろしくねー!!
日登ひのぼり 叶哀とあ
こいつの言う事は真に受けなくて良いからな
夜咲やざき 叶音かなと
へ~、みんなかっこいい才能だねー!すご!!
咎乃とがの 緋朔ひさく
ところでさっきなんか考え込んでなかった?
どうかしたの?
夜咲やざき 叶音かなと
あー、うん!
まあなんか、大きい事じゃないんだけどさ
夜咲やざき 叶音かなと
さっきあっちの廊下の奥からなんか…
叫び声…怒鳴り声?みたいな奴が聞こえてさ
夜咲やざき 叶音かなと
どうしたのかなーって思って
体の方向を変えて指差したのは俺達がまだ言っていない更に奥の廊下だった。…成程?
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
え、怒鳴り声?
夜咲やざき 叶音かなと
うん、誰か喧嘩でもしてるのかなーって
咎乃とがの 緋朔ひさく
じゃとりあえず見に行ってみる?
同じように人いるなら会っときたいし
夜咲やざき 叶音かなと
うん!
もしほんとに喧嘩してたら解決頼んだよ~!
日登ひのぼり 叶哀とあ
俺らに丸投げかよ…
なんて言ってじゃあまたねー、なんて笑って手を振る叶音の更に奥へと進んだ。
普通に明るくて良い奴に見える。フレンドリーってかコミュ力高いというか。

…なんだけど、

 …ただそれだけ、だよな?

その明るい笑顔の奥に、なんだか「何か」があるように見えたのは
気のせい、なんだろうか
どうせならそうであってほしいけどな

そんな違和感を少しでも咀嚼するように、
少しだけ足を速めながら3人とこの状況にしては下らない事を話していた。




























































































_____おや
____確かに、その場所に人はいた。
けどそこに怒鳴り声なんて飛び交っていないし、漂う空気はただ静かで、そこだけ切り抜いた様に落ち着いていて、…そもそも、そこに立っていたのはただ一人で。
















































初めまして。
貴方方も目覚めたらこの学園にいたのですか?
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
あ、うん、そうだけど…君も?
ええ。これはこれは奇遇でございますね
日登ひのぼり 叶哀とあ
奇遇っつうか、ここにいる奴は大体そんな感じ…な、可能性はあるけどな
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
ねえ、ところでえ~っと…
さっきまでここに他の誰かとか、いた?
いいえ?わたくしは一人でしたが…
どなたか尋ね人を?
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
ううん、えっとね…
海原かいばら 湊斗みなと
さっき会った奴がこっちから怒鳴り声みたいなものが聞こえたって話しててな
本当なのかと
レシアス・E・ルミナンシャーレ
おや、そうでしたか。
___ですが、私の方では生憎そのような事に心当たりもありませんね…
” …本当に? ”

本当に、一人だったのか?

脳の奥がちか、と反応した。いつもの勘、…嘘?
その笑顔のまま吐かれた言葉がどうにも怪しくて、靄が掛かってるように聞こえた

嘘だとして、何で嘘なんだろう。仮に本当だったとしたら何で俺の脳裏は反応したんだろう。
…反応しておいてあれだけど、だからといってそこまで直接的に重要な嘘かと聞かれるとそれはそれで何か違う気がして、じゃあ何で

 …何かあったのか?
…おや、どうかされましたか?
咎乃とがの 緋朔ひさく
ん?何でもない。気のせいとか、別の何かだったら良いんだ
___それで、じゃあ自己紹介しよっか
とりあえず笑って話を振った。…今は良いか。
ええ、そうでしたそうでした
名すらも名乗っておりませんでしたね、申し遅れました____
 
レシアス・E・ルミナンシャーレ
 ______ResiasレシアスÉtoileエトワール
 Luminanshaleルミナンシャーレ。 
 ”超高校級の神父”の名を
 預かっております。
 気軽にルミナとお呼びください 
 















































そいつは恭しく笑顔を浮かべて恭しく頷いた。…所作の一つ一つがこう、麗しい?ってのとはまた違うけど、こう気品みたいなものがあって…神父ってのも納得できる。

全体的に大人びてる…というか余裕そうな雰囲気があるけど、こいつも俺らと同じく高校生…なんだよな。
海原かいばら 湊斗みなと
神父…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
すっごい横文字…ってことは、外国の人!?
レシアス・E・ルミナンシャーレ
ええ、そのような認識で構いませんよ
…その笑顔が本物の、”ただの善人”のものなら良いんだけどな。
…さっきから二連続で邪推してるみたいで何かあれだが、いや、うーん…
日登ひのぼり 叶哀とあ
…神父って高校生でもなれるものなのか?
レシアス・E・ルミナンシャーレ
他の教会がどうかはわかりませんが…
私はその布教活動をとても良く評価して頂いたようで、学園からスカウトを頂きましてね
レシアス・E・ルミナンシャーレ
神への御意思が伝わったのなら何よりなのです
その顔は、雰囲気は、両手を結んで祈りを捧げる様だった。…そうだよな、神父で、しかも「超高校級」なんだからそりゃあ信仰してる”神様”がいるんだよな。

 …神様、かあ…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
___だってさ!
ちゃんと学んだ叶哀!?
日登ひのぼり 叶哀とあ
どうせお前も知らなかっただろ知ってたみたいな顔すんな
レシアス・E・ルミナンシャーレ
ふふ、4人ともとても仲が宜しいようで何よりです
渚朝&叶哀
いや緋朔と湊斗とはともかく渚朝こいつ/叶哀とは全然そんな事ないが/ないけど??
咎乃とがの 緋朔ひさく
まあこういう二人なんすよ
海原かいばら 湊斗みなと
よろしくな
レシアス・E・ルミナンシャーレ
ふふふ…
 
レシアス・E・ルミナンシャーレ
____しかし、奇妙ですね
まさか目覚めたら学園にいるとは…
 
レシアス・E・ルミナンシャーレ
 一体何が目的なのでしょうね? 
その笑顔は、日常を慈しんで楽しむようなものではなくて
一変したように、非日常を手繰る____愉しむような、そんなものにすら見えた
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
…目的、かぁ…
日登ひのぼり 叶哀とあ
まあ、そうだよな。…冷静に考えれば、こんな状況普通じゃないし…
いや元からずっとそうではあるんだけどさ
咎乃とがの 緋朔ひさく
誘拐だとして学園に運んだ意味よ
海原かいばら 湊斗みなと
…全体的に何がしたいのかよくわからないんだよな
レシアス・E・ルミナンシャーレ
一体何が起こるのでしょうねえ
その笑顔は不明瞭な未来すら面白がっているように見えた。こいつは人間だ。人間だし、人間に見える。___…けど、どこか、”それだけじゃない”ような、そんな気もして。

ほんの少しだけ真剣な表情になって、それでも足は止めずに、そんなこんなでその場から離れる事にした。…予想通りチェックポイント的な光は、後から確認すれば赤色に変わっている。

 …価値観なんてそんな簡単にわかるものでもないけどさ。




























































































【 体育館前廊下 】
ここから近いし光が一緒に3つもあるし、と向かった廊下を曲がる。
___あ、本当にいた。何やら親し気に話す背丈が3つ。
____んーーーーー、やっぱ開かないんだよね…なんでだろ……?
やっぱりこのチェックポイントみたいなものが重要なんじゃないかしら。
例えば全員が回収しないと開かないだとか…
___っと、言ってる傍から
ぅぇ、人………背高っ………











































 


薄桃色の髪の奴がこちらに気づいて振り向いて、
電子生徒手帳(やっぱり改めて他の奴らの手にも渡ってるっぽい)と大きな扉を交互に見てた黒髪の奴もその素振りで気が付いて、
いち早くこちらに気づいて体を縮こまらせていたもう一人の黒髪の奴は少しだけ委縮するみたいに呟いた。全員女子だ。
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
はじめましてー!
えっと、ここって体育館…だよね?
はじめまして!!
うん、そうなんだけどなんか開かないみたいなんだよね…
日登ひのぼり 叶哀とあ
…鍵とかがかかってるって事か?
そうかもしれないし、はたまた学園側からロックが降りていない可能性もあるわね
どちらにしろ今すぐ入るのは困難そうだわ
ん~~~残念…とりあえずひとっ走りしたかったんだけどなあ…軽く10周くらい……
それ「軽く」の範疇で済むんですか…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
え~っと、ひとっ走りしたい、って…こんな状況で?
え、走るのって良い事なんだよ!?
よくわかんない事とか難しい事とか全部吹っ飛んでくし、楽しいしさ!!
子供ね…
ちょっとちょっと私もう16歳なんですけど!?!?
本当に明るい奴、って感じがした。そしてそれにツッコミ入れたりして笑ってる、本当に「子供」って笑えるっぽい程度には大人びていて相手より身長も高い奴と、すぐ隣同士の二人とは少しだけ離れたところで口を挟んでる奴。
………あ、ていうか…
まずは自己紹介からだよね!?
 
神上かみじょう 友優ゆう
 ________1000年に一度の
 天才スポーツ選手!!
 またの名を超高校級の運動部、 
 神上かみじょう友優ゆう!!よろしくね!! 













































 

放つ言葉はハキハキと通っていて、本当に誰とでも仲良くできるようなそんな雰囲気。

…強いて言うなら、長袖。
そこらを走り回る様な元気溌剌な雰囲気とは少しずれるというか、ワンテンポ遅れてやってくるような何かがある気もするけど、
何かあったのだろうか、とほんの少し点灯した脳裏をまあ今はいいか、と覆う。
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
運動部かぁ~…どうりで…
本当に走り回るの大好きみたいでね。
聞いたエピソードもほんと半袖短パンの小学生のままって感じだったわ
神上かみじょう 友優ゆう
ちょっとなんか悪意ないその紹介!?
…っと、私よね。次は
 
____そしてわたくしが一万年に一人の姫…
神上かみじょう 友優ゆう
ちょちょちょちょ被せたね!?!?
 
糸桜しだれ 姫芽ひめ
 ____糸桜しだれ家の一人娘にして、
 ”超高校級の令嬢”、
 糸桜しだれ姫芽ひめとは私の事よ。 
 身分関係無くよろしくお願いするわ 















































 
令嬢、と肩書を言われると納得する。確かに洒落た服着てるし、こう、雰囲気が…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
令嬢…って事はお姫様?
糸桜しだれ 姫芽ひめ
そうよ。あのかの有名な糸桜家の一人娘!
聞いた事は無いかしら?
日登ひのぼり 叶哀とあ
…いや、特には
咎乃とがの 緋朔ひさく
ごめんな無知で
すみません知識足らずのカスで
糸桜しだれ 姫芽ひめ
な、なんてこと!?
何か有名どころの家なんだろうか。知ってるかな、とちらっと隣を見たけど海原も多分顔的に知らないっぽいな…
でも実際、その立ち振る舞いだとか所作だとか、そういう一つ一つの「お姫様」感が凄いのは事実だった。自然と目を惹かれるような感じ。
糸桜しだれ 姫芽ひめ
…まあ、良いわ。これを機に覚えておきなさい!
改めてよろしくね!!
神上かみじょう 友優ゆう
なんかね、すごいんだって!!
めっちゃ華やかなんだってさ!!
咎乃とがの 緋朔ひさく
凄さの指標に華やかさ出す事あるんだ
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
でもボクその服好きだよ!可愛いし!!
糸桜しだれ 姫芽ひめ
あら貴方わかってるじゃない。
貴方の服も可愛いわよ
神上かみじょう 友優ゆう
それじゃあ、最後は星花だね!!
え?あっ、僕ですか?そうですよねすみません
今もう名前言いましたけど
神上かみじょう 友優ゆう
えっ?あ、やば!!ごめん!!?
いえいえいえいえあのタイミングを逃した僕が悪いんで全然あのむしろわざわざ指摘しちゃってごめんなさい
 
………えー、あ~…
 
_____一億年に一人の凡夫…
 ______朽才きゅうさい星花はなびでーす… 
 ”超高校級の劣等生”でーす… 
 期待しないでくださーい…















































 
日登ひのぼり 叶哀とあ
”劣等生”…?
朽才きゅうさい 星花はなび
あ、びっくりしました?
びっくりしましたよね。そうですよね、僕の才能なんてすごくも無い癖に嫌な方の初見インパクトだけは無駄にあるので…
 
朽才きゅうさい 星花はなび
____…生まれた時から勉強も運動もてんでダメ、
成績はいつもオール1だし周りはみんな上澄みなのに僕だけ駄目駄目な劣等生
朽才きゅうさい 星花はなび
そんなあまりに酷い惨状を見兼ねてかスカウトが入ったんです。
…部類としては超高校級の不幸だとか、そういうのと同じレベルですね…
朽才きゅうさい 星花はなび
まあ、僕の方がきっと下の下の下の下下下の下でしょうけど…
糸桜しだれ 姫芽ひめ
…鬼太郎がいたわね
そんな事あるのか?ってレベルのスペックだな…
まあ、確かに本人が言った通りこの学園には超高校級の不幸だとか不運だとか、そんな感じのマイナス方向に突き抜けた様な才能を得る奴もいるし、おかしくはないのかもしれない。それにしたって劣等生って肩書きはどうなんだとは思うけど。

 …後、”マイナス方向の才能の肩書きを貰った”って言うなら、すぐ近くにも心当たりが____________
神上かみじょう 友優ゆう
そ、それにしてもなんか…
何も出来ないから超高校級の劣等生って、酷くない!?
あぁいや、勿論私が星花をそう思ってるとかじゃなくて____
神上かみじょう 友優ゆう
もっとなんか輝ける何かがあるんじゃないかな!?
ほら、見た目も可愛いし!!
朽才きゅうさい 星花はなび
えぇ…?こんな僕が?
世界線が違えば超高校級の鬼ブスだとか言われててもおかしくなかったような僕が…?
糸桜しだれ 姫芽ひめ
言いすぎでしょ
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
言いすぎじゃん
海原かいばら 湊斗みなと
別にそんな事無いしな
咎乃とがの 緋朔ひさく
それ~
朽才きゅうさい 星花はなび
は、はぁ………そうです?
顔面偏差値の暴力に言われてもあんま飲み込めないんですけど……
朽才きゅうさい 星花はなび
…それに、良いんです。
僕なんてドジでのろまでクソでゴキブリな亀なんで…
神上かみじょう 友優ゆう
な、なんか罵倒増えてる…!!?
日登ひのぼり 叶哀とあ
ゴキブリか亀かどっちかにしろよ
海原かいばら 湊斗みなと
そういう問題か?
糸桜しだれ 姫芽ひめ
はあ…のろまでも亀でもなんでもないわよ。
さっきからよく自分を卑下してるけど、貴方だって” 超高校級 ”なんでしょう?
糸桜しだれ 姫芽ひめ
だったら胸を張れば良いじゃない。
自分を認めるのは自分磨きの第一歩なんだから
朽才きゅうさい 星花はなび
………そうですか?
糸桜しだれ 姫芽ひめ
そうよ。
”超高校級の令嬢”である私の言葉が信じられないっていうの?
朽才きゅうさい 星花はなび
………




朽才きゅうさい 星花はなび
…………ありがとうございます
神上かみじょう 友優ゆう
(あ、なんか良い感じだ…!良かった〜…!!流石姫芽!!!)
咎乃とがの 緋朔ひさく
友優は本当に友達思いというか、兎に角ムードメーカーでたくさん周りのことを見てるって感じがする。…後何も言ってなくても表情で思ってることがわかりやすすぎる。
咎乃とがの 緋朔ひさく
_____じゃあ俺らも自己紹介するか
咎乃とがの 緋朔ひさく
超高校級の銃使い、咎乃緋朔
こっちが
海原かいばら 湊斗みなと
超高校級の剣士、海原湊斗
よろしく
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
超高校級の魔法使い、夕立渚朝!よろしくねー!!
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
それでこっちのバカが超高校級の太陽の
日登ひのぼり 叶哀とあ
日登叶哀。バカじゃないしこっちの真のバカの話は全く真に受けなくて良いからな
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
え??ボクはむしろ天才だしこのボクが真のバカなら叶哀とかもはやビッグバンでしょ
日登ひのぼり 叶哀とあ
もはやどこから出てきたんだよそれは
神上かみじょう 友優ゆう
じゅ、銃使い、剣士、魔法使いに太陽…!?!?
神上かみじょう 友優ゆう
何それかっこよすぎない!?私もほしかったそういう肩書き!!
糸桜しだれ 姫芽ひめ
例えば?
神上かみじょう 友優ゆう
大天才とか!!
糸桜しだれ 姫芽ひめ
貴方にはおバカちゃんくらいがお似合いでしょうに
神上かみじょう 友優ゆう
待ってシンプルに悪口言った!?!?
姫芽今シンプルに悪口言ったよね!?!?
朽才きゅうさい 星花はなび
………
うーーん賑やかだな凄い
三人とも性格というか雰囲気は違うけど普通に仲も良さそうで、…まあ三人っていうか一人はほぼ黙って見てるだけだけど、それによって気まずさとかが生まれてる感じもしないし。
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
3人は元々知り合い?…ってわけじゃ無さそうだけど___
神上かみじょう 友優ゆう
うん!今日初めて会ったばっかり!!
今日…っていうか、ここで目覚めて歩いてたらばったり会ったんだよね
あ、やっぱそうなんだ
勘的にはそうかなーって思ってた。…ということは本当にコミュ力高いんだろうな、後馬が合うっていうのか
糸桜しだれ 姫芽ひめ
…ということは、貴方たち四人は?
咎乃とがの 緋朔ひさく
うん、元々知り合いだしお互いのこと覚えてた
朽才きゅうさい 星花はなび
えー、凄…
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
友達なんだよボクらは!!
咎乃とがの 緋朔ひさく
そーそー
神上かみじょう 友優ゆう
へぇー、なんか、なんか良いねそういうの…!!
朽才きゅうさい 星花はなび
眩しっ…
神上かみじょう 友優ゆう
……あ、じゃあ私からも一個良いかな___
 
神上かみじょう 友優ゆう
____ずっと思ってたんだけど…
君めっっっっちゃ可愛くない!?超かわいいんだけど!!!
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
え?あぁ、ありがと____
神上かみじょう 友優ゆう
____ねえ、渚朝ちゃんって呼んでいい!?
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
 
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
……ぁ、えっと、それは____
日登ひのぼり 叶哀とあ
…普通に渚朝で良いんじゃないか?もう仲も良いみたいだしさ
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
あ…
神上かみじょう 友優ゆう
ん~…まあそれもそっか!!
改めてよろしくね渚朝!!
夕立ゆうだち 渚朝なぎさ
あ、…うん!よろしく!
咎乃とがの 緋朔ひさく

神上かみじょう 友優ゆう
日登も咎乃も海原もよろしくねー!!
日登ひのぼり 叶哀とあ
俺らは苗字なのかよ
咎乃とがの 緋朔ひさく
別にいいけどさ
海原かいばら 湊斗みなと
まあ、普通に…
糸桜しだれ 姫芽ひめ
まあ貴方達はそういう感じではないものね。
私は名前で呼ぶけど
朽才きゅうさい 星花はなび
ぁ、僕は恐れ多いですし特に捻りもない凡庸な人間なんでさん付けで…はい…
糸桜しだれ 姫芽ひめ
だからそういうネガティブ思考からやめなさいって____
そんなこんなで解散する事にした。

少しだけ安堵するような表情で・・・・・・・・・・息を吐いた渚朝と、そのすぐ隣を歩く叶哀を横目に、

…ほんの少しほっとした・・・・・事は、海原も同じみたいだった。
































































































【 食堂 】





























































































 _____え、凄!?めっちゃ凄くないかこれ!? 
 …これは、初めて見ましたね… 

何やらそこにあるものをまじまじと見つめる二人の男女の姿があった。
















































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