…実際、もういいかな、なんて思ってる
手繋ぐのも嫌じゃないし最近は好きと言われるのもなんだか満更でもなくなってきて
こんなにしつこく好きだとか、ハグしたいだの付き合いたいだの言われると俺だって意識する
俺が手を握り返すだけでそんな反応されて
可愛いやつだなって思ってしまう
こいつといるとどうも調子が狂う
こいつのペースに飲まれそうになる
俺、もしかしてもうこいつのこと…す、
急にスニョンが出てきたことにびっくりして俺は咄嗟にソクミナの手をふり払ってしまった
知り合いって……お前がいちばん知りたがってた俺の好きな人だよ
なんでここにスニョアが…まさかこんなとこで出くわすなんて……
…なんだ。彼女とデートか
俺とデート行こうだの言っておいてやっぱり本命は彼女だけか。まぁ、当然だけど
ていうか勝手に嫉妬されても困る。俺だって死ぬほどアンタに嫉妬してきたんだし
あ、手…繋いでる
スニョアも恋人繋ぎとかするんだな。
二人で去っていく背中を見つめて寂しくなる。…スニョアには…俺の好きな人には好きな人がいて、俺はそれを見つめることしか出来ない。
俺の表情でバレてしまったのか。原因を考える前に
咄嗟のことだったから俺は反射的に否定してしまった
…でも案外嘘じゃないかもしれない。今ここにいる彼女にデレデレなスニョアは好きじゃない
俺が好きなのは……
本当はもっと色々聞きたいだろうに
ソクミナは多分俺がもう話したくないのを察して黙った
俺らの間に気まずい雰囲気が流れる
もうお互いに気づいてしまった…俺がスニョアのこと好きなこと。それにバレてしまったこと
ソクミナが少し低い声で俺の名前を呼ぶ
悲しんでいるのかもしれない。それともこの気まずさに耐えられないのか
どうしてあの人が好きなの、どんな人なの?…そんな事を聞かれると思っていたのに
思っていた発言とは全然違う言葉を言われ脳が1度フリーズする
ソクミナが指を絡めてきて俺の手をしっかり握ると真剣に見つめてきた
ソクミナは急に恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にしながら俺にそう言った
いつでも真っ直ぐ俺のことを見つめて俺よりも真剣に考えてくれる
そんな馬鹿みたいに正直で馬鹿みたいに一途なこいつを見て俺も少しスニョアのことを気にしてる自分が馬鹿らしくなった
今考えるべきはスニョアじゃなくてこいつかもしれない
ソクミナはどうやら…スニョアが来て俺がほどいてしまった手をまた繋ぎたかったらしい
今度は俺が離さないようにさっきよりもしっかり手が握られている
今はもう……こいつのことだけを考えよう











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!