─── 朝日side
あなたちゃんがグループを
退会してから数日後、突如として
ライバーあなたのアカウントが消えた。
それと同時に、乃依の家庭教師だった
兼井あなたが担当から外れた。
一言だけを残して消えたあなたちゃん。
そんな姿に、焦りとイラつきが募っていった。
拍車をかけるように、
ツクヨミ内でも聞こえる小さな嘆き。
" 貧乏姫のガチ引退 "
理由も、考えも、あなたちゃんは
いつも自分から何も言わない。
でも俺たちの話を断るくせに、強引に押せば
文句を言いつつも楽しそうに笑う。
そんな姿を見るのが、
日常になっていたのかもしれない。
いざ居なくなったあなたちゃんの影を見て、
そんなことを思った。
最初は、興味本位でコラボした相手。
気になったから、面白そうだったから。
それが、居て当たり前の存在に変わっていた。
乃依と雷も、俺と同様の気持ちだった。
だからこそ、もう一度
あなたちゃんに会って話をしたい。
そんな時に閃いたのは、1つの案。
でもツクヨミでのことなら、
どんな案よりも信じられる絶対的な話。
─── ツクヨミの管理人、
月見ヤチヨに尋ねること。
そしてその晩、
俺たちはヤチヨちゃんの元へ向かった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!