第14話

第14話
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2024/06/04 12:16





6月も終盤に入り、昼も段々と長くなってきた

ジョングクと最後に会ったのはラナンキュラスを買ったあの日きり

もう2週間ばかり会っていなかった


最近は忙しく、一日に何人も仕事を入れているので帰るのも遅い

だから見かけることすらなかった
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今日はあと一人か…

メールできた通り、ドーナツ屋の前で客を待った
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おっそ、

客は時間から10分しても来なかった

まさか学生の悪ふざけか?いやでも、前払いだぞ

そんな馬鹿なことお金を払ってまでするか?

待たされたのは初めてだったから少し不安だった
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すみませんっ!めっちゃ遅れました!

聞き馴染みのある声がして、顔を上げた


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︎︎
えっ、は、!?

そこに居たのは走っているせいでふわりと浮いた前髪を手で押えているジョングクだった
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︎︎
な、なんで、?
わざわざお金を払って俺と会うなんて…

俺たち、てっきり友達だと思ってたけど…

会うなら家に訪ねてくればいくらでも時間を使うのに

どうして、俺と会うために大金を払ったんだ?

それに、同居してて大好きなジミナのところに帰った方がいいんじゃない?
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え?お金が無くても会ってくれたんですか?
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勿論、俺たち友達じゃん
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友達と彼女は別だもん

それにしても……3時間5万だよ?

学生なのに大丈夫かな、ジョングク

どうにかして事務所に安くしてもらうよう言ってみるか?

それとも俺の給料から引く?
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友達か…ならいいです、僕はお金を払わなくちゃ

そう言ってジョングクは俺の背中にあるギターを撫でた
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あっ、テヒョンさんのお家にお邪魔するのはサービス上無理なんですか?
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うん、事務所からは駄目って言われてる

でも、ジョングクには酔っ払った時お世話になったし、今までジミナすら入れたこと無かったけど良いかもな
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どうしてもですか?
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いや、いいよジョングクだから入れてあげる
このくらいやっても罰は当たらないよね


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お邪魔します

ジョングクは綺麗に靴を揃えて、行儀よく一礼した
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どうぞ
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あっ、あれsugarのラナンキュラスですか?

ジョングクはリビングに飾ったラナンキュラスを見てそう言った

2週間ほど前に買ったあの日から、何一つ知らなかった花のことを沢山調べてなんとか咲かせ続けている
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そうそう、結局買っちゃった
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ふふっ、いいですね

ジョングクはとても嬉しそうに微笑んだ
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テヒョンさんが興味があったら、また見に来てくださいよ
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沢山綺麗なお花があるんですから
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分かった、行くね

いつも冷たい俺の家に、ジョングクが居るのがなんだかむず痒くて、

ジョングクの温かさが部屋中に伝わっていくのが嬉しかった

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