高校1年生だったあの日。
私は初めての春高でみんなが口を揃えて言った
“ゴミ捨て場の決戦”に
音駒高校のマネージャーとして、
試合のサポートに全力を尽くしていた。
結果は負けてしまったけども
みんな、すごく楽しそうで笑顔。
その瞬間を見れたのは
選手でもなく、
まだ初めて1年も経たないマネージャーでも
とても嬉しく、感動を覚えた。
先輩達が引退した後も、
新チームに変わった音駒を支えていく為に
毎日必死になってマネージャーの仕事をした。
“ゴミ捨て場の決戦”はあれ以来、
一度も無かったけれど、
3年間のマネージャー経験では
得られるものが多くあり、すごく充実していたと思う。
そうしていつのまにか高校も卒業しており、
私は自分の夢に向けて、
今新しい一歩を踏み出そうとしていた___
が。
あなた『うぅ…。緊張でお腹痛くなりそう。』
桜が綺麗に咲く公園で、
私はベンチに座り込んでいました。
あなた『うわぁどんどん時間が迫ってくる…。』
時計台が指す時間は午前7時50分。
挨拶や何やらを済ませて会議が始まるのが8時30分。
この公園から職場まで15分はかかるし
そろそろ出たい…けど。
あなた『痛くて歩けない…かも。』
私は緊張すると腹痛が出てきやすい。
今日は特に症状が酷い…。
今日に限って痛み止め忘れたし、
あなた『どうしよう…。』
??「大丈夫?」
痛すぎて頭がボーッとしてきた中、
誰かから話しかけられて顔を上げる。
??「どっか悪いの?」
あなた『い、いえ別に……。』
??「絶対ウソだ〜。…あ、もしかして、お腹?」
私がお腹を押さえていたからだろう。
その人にはすぐバレてしまった。
??「病院連れて行こうか?」
あなた『あ、えっと…緊張で、お腹が…痛くなってるだけで。』
恥ずかしい…。
緊張だけで人に心配されるぐらいの顔色になって、
あなた『だから…本当に、…大丈夫です。』
相手の男の人はスーツを着ていて
多分、通勤途中に私と出会しちゃって…。
運なさすぎるよね。
??『そーんな冷たいこと言わないでよ〜。』
??『はい、これ飲んで。深呼吸して。』
そう言ってスーツの男の人に渡されたのは
ふたを外された水のペットボトル。
あなた『そ、そんな…申し訳ないし、、』
??「だーから!良いって!ゆっくり飲みな〜」
私は一口水を飲んで深呼吸をしてみる。
あなた『…少し、落ち着いたかも、です。』
??「よかったよかった!」
しばらく私は男の人に言われたように
深呼吸をしたり水を飲んだりを繰り返し…
なんと痛み止めも持っていたらしく、
それもありがたく頂いた。
するとお腹の痛みは治った気がした。
頭がボーッとしていたのも
なくなったし…ちゃんと顔見てお礼を言わないと。
あなた『…あの、お礼を__。』
そう言いながら顔を上げた時、
??「やっべ!!時間結構アレだし…俺いくね!』
あなた『えっ、』
??「お礼は貴方が元気になったからいらないべ!」
それだけを言い残して。
男の人は行ってしまった。
結局、顔を見てお礼をする事は出来ず。
お水も薬も貰ったのになぁ…。
でも、
あなた『…何だろう。なんか、』
初めて会ったはずなのに
何故か聞いた事があるような声だったのは。
また会える気がしたのは。
あなた『きっと気のせいだよね。』
___というか私も時間ヤバい。
初日から遅刻は本当に良くない…!!
すっかり軽くなった体を持ち上げ、
着慣れないスーツとヒールで走り出す。
私は今日から、
小さい時からの夢だった小学校教師になる。
あなた『今年度からひまわり小学校配属となりました、
桃宮あなたです。新任でわからない事が多いですが、精一杯頑張ります。よろしくお願いします。』
校長「桃宮先生ね。校長の武林だよ。よろしく。」
ニカっと笑顔を見せながらそう言ってくれたので
校長先生への挨拶は
何とか上手く行ったみたい。
校長「この小学校は市内から外れたところにある小学校だからクラスも一クラスだし、その分先生間の連携はしやすいと思うから。のびのびとやりなさい。」
あなた『…! は、はい!頑張ります。』
優しそうな校長先生で良かった…。
校長「じゃあ今から職員室で会議するから。一緒に行こうか。その時に担任とかを発表するからね。」
あなた『分かりました。』
私は校長先生の後ろから職員室に向かう。
…同じ職場で働く先生達って。
どんな先生がいるのかなぁ。
期待に胸を膨らませながら
綺麗なドアに手を伸ばそうとした瞬間__
??「あれ?さっきの子だべ?」
あなた『…あ。』
入ろうとしていた職員室から出てきたのは
さっき私を助けてくれた男性だった。
校長「ほらスガくん。挨拶。」
??「あ…すいません!というか名前、教えて無かったべ。」
片手で首を押さえて照れている男性。
…あれ。この先生さっきは顔見れなかったけど
今ハッキリと見たらどこかで会った事がある気が__
管原「ひまわり小学校教師の管原孝支です。今日からよろしくね。」
…え。
菅原さん…?
あなた『…管原さんって、あの”烏野高校”のセッター…でしたか?』
菅原「あー、そうだべ!まぁスーパールーキーにほとんど奪われていたけどなぁ笑」
あなた『…私、その時1年で音駒高校のマネージャーだった桃宮、です。』
菅原「……えぇ!?あん時マネージャー!?」
あなた『…はい、多分。』
管原さんもビックリしているし、
多分思い出してくれた…だろう。
桃宮あなた。22歳。
新任として新しく入った宮城の小学校で。
まさかの出会いです。
あけましておめでとうございます!の新作です!!
私の黒尾以外の作品が思いつかなくて
行き詰まってる時にふと、こんなのが書きたい!と
思ってしまい…笑
ぜひ応援お願いします🙇











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。