第5話

5話 『嘘つく仕草』
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2024/12/13 12:23 更新
【 Sakura side 】

サクラ
サクラ
キムさん、起きて


仕事が一段落し、ベットで眠っていた彼女を起こす。


目を擦りながら起き上がる彼女は不覚にもとても可愛らしいと思った。

サクラ
サクラ
熱測ってみて


38,2°




さっきよりは下がっているが、未だ高い体温。


サクラ
サクラ
どっか辛いとこは?
チェウォン
チェウォン
ちょっと頭痛いのとぼーっとする
サクラ
サクラ
そっか
サクラ
サクラ
車まで歩ける?
チェウォン
チェウォン
うん


そう言って立ち上がり、歩き始めた彼女だが


チェウォン
チェウォン
うわ、!
サクラ
サクラ
っおっと!大丈夫?


ふらっと歩き、倒れそうになった彼女を支える。


サクラ
サクラ
おんぶしてくから乗りな
チェウォン
チェウォン
でも……
サクラ
サクラ
じゃあこのまま放ったらかしにしようか?


そう言うと彼女は他に選択肢がないと悟ったのか私の背中に素直に乗ってきた。









































いくら事情があるとはいえ、生徒を勝手に家に連れて行ったら何を言われるか分からない。


だから嫌がる彼女から何とか説明してお父さんの電話番号を聞き出し、車内に乗せて私は外で電話をかける。


サクラ
サクラ
もしもし、お世話になっております。
私娘さんの学校の養護教諭の宮脇です。
サクラ
サクラ
本日娘さんが高熱を出されまして。
お父様は仕事で忙しいから迎えに来れないと聞きまして
サクラ
サクラ
でも1人で帰すのは心配だと思い、本人の許可を取り、私の家に泊めることになったのですがお父様にも報告をと思いまして……


できるだけ丁寧に、簡潔に内容を伝える。


チェウォン父
そうですか、好きにしてください


放たれた言葉はあまりに冷たく、興味すらないと言った声色だった。


サクラ
サクラ
ありがとうございます……


そう言い切る前に電話を切られてしまった。


これは私が想像していたより遥かに酷そうだ……

















サクラ
サクラ
よし、許可も取れたし帰ろっか


こんな言葉分かっていても本人の伝えるべきじゃない。


できるだけ平然を装い、そう発する。


チェウォン
チェウォン
“あの人は”……なんて言ってた……?


不安そうに聞いてくる。


“あの人”とはお父さんのことだろうか……


サクラ
サクラ
……娘をよろしくお願いしますだってよ



咄嗟に嘘をついてそう伝える。


チェウォン
チェウォン
……先生、嘘つかないで?
サクラ
サクラ
え……?
チェウォン
チェウォン
どうせそんなこと言われてないんでしょ?
サクラ
サクラ
何を根拠に……


そう言うと彼女は私に近づき、右手でそっと唇に触れてきた。


サクラ
サクラ
何……!?
チェウォン
チェウォン
先生、嘘つく時癖で唇噛んでるの気づいてないの笑?
サクラ
サクラ
うそ……
チェウォン
チェウォン
ほんと


彼女からぐっと距離をとり、自分の唇に触れる。


まさかそんな癖があったとは……


チェウォン
チェウォン
あとはねぇ〜……
サクラ
サクラ
待ってまだあるの!?
チェウォン
チェウォン
あるよ〜、先生嘘つくの下手だもん笑
サクラ
サクラ
なんで癖とか知ってるのよ……
チェウォン
チェウォン
そりゃ〜先生のこと好きだもん
サクラ
サクラ
なぁっ……
チェウォン
チェウォン
笑笑  先生顔真っ赤だよ?


からかうように笑う彼女に「元気なら帰すよ」と言うと「うそうそ、まだめっちゃ具合悪いもん!」


と言われたが、本当だろうか














































車を走らせること数十分、家に着いた。


横を見ると静かに眠っている。


さっき、眠そうにうとうとしていたから寝てもいいよと声をかけると、5分もしないうちに寝息が聞こえてきた。


このまま起こすのも良かったが、せっかく気持ちよさそうに寝てるならと外に出て助手席に回ると、そのまま慎重に彼女を持ち上げる。


さっきも思ったが、異様に彼女が軽い気がした。


私の力が強くなったのか、それとも彼女自身が軽いのか


恐らく後者だろう。


複雑な家庭環境で生まれ育った彼女を可哀想と思いつつ


昔の自分に重ねてしまう自分がいた。




𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹……

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