あの日から大体4年ほど経ったと思う。
なんだか会うのが気まずくなってあの場所には行っていない。
...でも今でも思い出す。
きっとあれが初恋だったのかな。
まあ思い出したところで...どうにもなんないけど。
だって、今付き合っている人がいるから。
告白されたから...よくわかんないまま付き合って。
これでよかったのかな。
...で、今はその彼の浮気現場を見てしまった。
ソイツは私をもてあそんで楽しんでただけみたい。
...私って本当にバカだ。異性と話すのただでさえ苦手なのに付き合ったから。
これだから...私は。
好きでもないはずだったけど目から...水が。
バカだ。本当。
結局...学生時代、よくいた場所に戻ってきちゃったし。
ベンチに腰かけてすすり泣いていると。
ハンカチを渡された。
泣き顔を見せられるわけもなくうつむいていた。目を合わせないとか失礼かな。
察してくれたのかベンチの隣にその人も腰かけた。
...お言葉に甘えて色々吐き出した。相手は誰なのかもわかんないけど。
控えめに背中に手を添えられて。
なんだか知らない人のはずなのにその人の手や声には安心感があって。
さらに涙が。
その人は泣き止むまで隣に居てくれた。
顔を上げてみると。
その人は...
話を聞いたら、私が急に来なくなったのは引っ越したのかと最初は思っていたけど、
友達に話したら愛想を尽かされただとか嫌われただとか散々な言われよう。
不安になってもう話してくれないと思っていたらしい。
...私も思ってた。
急にあの日、勝手に帰っちゃったから...
嫌われたと思って。
お互いすれ違ってたらしい。
どこまでも優しい人だ...
と、Eddはスケッチブックを落としました。
風でパラパラとページがめくれて...
今いる、この景色と...私が描かれているページに。
Eddは素早くスケッチブックを拾った。
珍しくEddはテンパってる。...顔色を赤やら青やらにして。
なんだか昔と変わってない。
私は自分の描いてた風景画を見せた。
それはもちろんこの風景とEddが描いてある絵。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。