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子供のような発音で ヒョンと呼ぶハンビナ
先に走っていって 、早くと急かしてくる 。
先生からまた許可も出て
今日は行きたがっていた水族館にきているんだ 。
別にそんなに急がなくたって 、
魚はどこにもいかないんだけど … ?
さっきまで元気だったのに 、
ハンビナの手を取ると一気に静かになり
顔を真っ赤にしている 。
さっきまでの元気はどこに行ったんだか ㅎ
普段は手話で会話しているけど 、
心から漏れ出たような本心は 口に出るようだった 。
久しぶりにハンビナの声を聞いて 、
少しだけ目尻が熱くなる 。
ライトアップされた水槽の中には
小さな魚から大きな魚 、マンボウやエイまで
いろんな魚たちが楽しそうに泳いでいる 。
そんな中に 2匹の魚が群れから外れて泳いでいた 。
少し身体の大きい魚が 小さい方を支えるように
スピードを合わせて泳いでいる 。
それが少し俺とハンビナに重なって見えた 。
まるで人間みたいに 、たまに顔を見合わせて
魚たちのペースで進んでいるようだった 。
ハンビナは 、俺がいなくなっても平気なのかな 。
少し遠慮がちに覗き込んでくるハンビナを見て
ハッとした 。
何デート中なのに別のことを考えているんだ 。
俺が出ていったときだって 、
ハンビナは必死に探してくれた 。
それにいつも大好きだって 、細い声で伝えてくれる 。
おでこに軽いキスをしてやると
ブワッと効果音が付きそうなほど 顔が赤くなった 。
hb
今日はヒョンと久しぶりのデート 。
前から行きたいと言っていた
水族館に連れてきてもらった 。
それなのに 、ヒョンがとても甘い 。
家でもよくスキンシップはするけど 、
外というのもあるのか 僕はキュンキュンさせられっぱなし 。
心臓が持たないから 、次々と水槽を見て回る 。
ふとヒョンが 、少し寂しそうな 悲しそうな顔をしている 。
心配して覗き込むと
大丈夫だよとおでこにキスをしてきた 。
僕の思い込みだったかも 。
熱くなる顔を自覚して 、
ヒョンの腕を引っ張りイルカショーへと急いだ 。
運よく僕たちは前から2列目に座ることが出来た 。
可愛いイルカの芸に癒やされていると
最後にバシャン 、と大きなしぶきが上がった 。
勿論前列の僕らはびしょ濡れ 。
ヒョンとお互いを見合って笑ってしまう 。
何処からか現れたタオルで頭をワシャワシャと拭いてもらい
お昼を食べて 、出口の売店へ向かう 。
最近休んでいるので 、
ギュビナに何かお土産を買おうと思う 。
ちょうど魚がプリントされた
クッキーのようなものを見つけたのでそれにする 。
一方ヒョンは何かを真剣に見ている 。
ヒョンが見ていたのはクラゲが描かれた
ガラスのコップ 。
色はちょうど2色あるし 、さっき僕もいいなと思っていた 。
ずっとしたいと思っていたお揃いもできるし 、
ピンクと青の2つを取ってレジに向かった 。
帰りは少し混んでいたが 、
電車では座ることが出来た 。
そのまま僕はヒョンの肩で眠りについた 。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!