言葉と反してダラダラ垂れる
血を見て少し心配し出す私
…強がってるだけ?大丈夫なのかな…
今まではそんな態度を取られなかったのだろう
冷たく接するカイザーに
「ゆみ」と呼ばれた女は戸惑いを隠せずに
いれない様子だった
泣きそうに歪む表情
…なんだか可哀想になってきた
なぜだか口論をし出したし…
あ、もちろん既に他のお客様方には
帰らせてもらった
他のキャスト様にも " break room "に
待機するように支持してある
だってこんな乱暴な女が居るんだから
危ないでしょう?
あ〜〜やっぱり私ってばいい女〜
私がそう言いかけた瞬間ー
ガシャーーンッッッ
女の周りのボトルが地面に叩き落とされ
壮大に破片が散らばった
液体も「勿体ない」と思う暇も与えず
どばどばと溢れていく始末
うわぁあああっっ……数万ぐらいする
ボトルが…!!
そう、女の仕業だとてっきり思っていたが
どうやら違うらしく…
そう言いながら女を蔑むような目で
一瞥するカイザーに
私も何故だか身震いした←
いやぁ…推しにこんなこと言われたら
ショックどころじゃねえわな……
女はボソリと呟いたあと
勢いよく店内から出ていった
バタン!!!
…
まじ要らん体力使ったわ
もう動けない
死んじゃう
もう受付対応したくない←←
手から垂れ出す血を舐めようとする
カイザーに私は大声をあげた
私はカイザーの意見を無視して
手を引っ張る
この傷は私のせいだと言っても過言じゃない…
恩返しぐらいさせてくれないと
あくまで " キャスト " として、ということを
強調しないと
勘違いされたら嫌だからね
私は途端に黙り出すカイザーを引き連れて
治療室に向かった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。